09-04 子絶四。毋意。毋必。毋固。毋我。 子、四(し)を絶(た)つ。意(い)するなく、必(ひつ)するなく、固(こ)なるなく、我(が)なるなし。 http://kanbun.info/keibu/rongo09.html 論語・子罕第九(Web漢文大系) |
Panzaさんがやっている引用部分に色を付けるというのをやってみようと、 「<table border=1 bgcolor=”#ffeeee”>
引用は「>>」という行と「<<」という行で囲む、という簡易な方法だけでこれまでやってきた。たまに気分を変えるのも良いか。
ちょっとやり方を変えてみたが結果は同じだ。
なお、色見本はこちら:とほほの色入門・色見本
http://www.tohoho-web.com/wwwcolor.htm
Warnig!Warnig!から脱出できず。(10/21)
三日半経った。危険度低い、と書いてあったので甘く見ていましたが、危険度の高低と駆除できるかどうかの困難さは無関係、ではある。いまも別に大抵の仕事はできると思う。ただまああまりやる気がでない。*1
自己自身(ソワ・メーム)の自身(メーム)、死ぬことにおいて代理不可能にとどまるもの、それは代理不可能性としての可死性に結びつけられてはじめて、それが本来あるべきものとなる。すなわち自己自身における自己への関係としての自身になるのだ。*2
さてウィルスとデリダと何の関係があるかというと、メームという言葉がミームやワームと語呂が似ている別に関係はない。しかし、反復とウイルスの自己増殖の類似、またウイルスが常に、クリティカル(致命的)オブジェクトと名指される、事も合わせれば、シュールレアリストでなくとも連想は十分可能だ。
で、デリダが何を言っているかというと、たぶんここは、不在の神からの呼び声によって本来性に目覚めようとする存在云々というハイデッガーの教説と関係がある。
でまあ何を考えたかというと。人間でもパソコンでも健康なときは自分の身体というものについて考えない。病気や障害に出会ったときはじめて、自分に臓器があることを<医学の知>と照らし合わせて知ろうとするわけだし、パソコンの存在の根底に例えばレジストリやセキュリティの脆弱性を発見するわけだ。可死性に直面することではじめて、それは本来忘れるべきでなかった自身を思い出す。
例えば、今日私は英次郎とかいうCD版の英和辞書を買った。英語のソフトをダウンロードするときに単語が分かった方が便利だからだ。私が英語がいくら嫌いでも私がパソコンを使っている以上ある意味で英語を使っている事でもあるのだ。
早く厄介ごとを逃れて本来の時間を取り戻したい。だがわたしとは何か?
*1:すぐに3千円ほどのソフトを買ってインストールすれば駆除できたのだろうか。私が親切にも私に助言してくれる人が努力しても得られないことは、たかだか数千円で解決できることなのだろうか。ふーむう。ところで、ウイルス対策ソフトを変更する場合は、前の物のアンストールに成功するかどうかがポイントになります。そこで躓く人が多い。
*2:p96『死を与える』デリダisbn:4480088822
こうそこうそう
こうそ《くわうそ》
【皇祖】
○(1)[国]天皇の先祖。
○(2)[国]天照大神(アマテラスオオミカミ)または神武天皇の称。
○(3)[国]天照大神から神武天皇まで代々の総称。
◎皇祖皇宗
こうそう《くわうそう》
【皇宗】
○[国]天皇の代々の先祖。
第2代綏靖(スイゼイ)天皇から前代までの歴代の天皇をさす。
根本が腐っているのに
西尾氏に続いて登壇したある方の話によれば、十一宮家が皇室離脱した背景は、やはりGHQの占領政策とのことであった。
http://d.hatena.ne.jp/iorigin/20051121 Drag and Drop – 続・皇室のゆくえ
それはともかく、戦後裕仁が退位しなかったことは「GHQの占領政策」ではないのかね。
平成超国家主義
中島岳志さんのエッセイが今月号の論座に載っていたので、図書館で読んでみた。(暇人か?)
彼は1975年生。論壇では最若年になる。でその世代には「オルタナティブな価値や世界のあり方を見出したいという欲求が広範に共有されている。」
この間の右傾化の流れの中でいわゆる右翼的になることも多いのだが、上の世代の右翼的な人たちとはだいぶ違う。福田和也や宮崎哲弥は世間にさからってあえて右翼的言説で行くといった選択をした人。が平成ネオ・ナショナリズムと名付けられる20代の彼らはもっとストレート。社会の曖昧な抑圧感への抵抗をそのまま「ナショナリズム」にもっていく。従来左翼的なものと親近していた、エコロジーや反戦運動、オーガニック、ニューエイジ的スピリチュアリティみたいなものに接近することも多い。でもって、縄文的アニミズムの称揚や「母なる大地」との一体化を唱えるナショナリズムとむすびついていく、と。代表的人物としては俳優の窪塚洋介が挙げられる。彼は映画「Go」で在日朝鮮人を演じ(おおげさに言えばそれに憑依す)るなかで、自己の中のナショナリズムに目覚めていく。社会システムに抵抗する自己の軸を「在日」ではなく「日本」に見出したのだ。といった話でした。
で、中島によれば、オルタナティブを求める運動が国家主義に回収されるのは珍しいことではない。昭和初期の超国家主義も、国家主義のウルトラであったわけではなく、現実の国家を超越した価値を追求する思想だったと。
ふむ。
摂津堂テクスト/日記のような、何か 12/17
2006-12-17 議論話の続き/メッセージ&web拍手コメント等
■[休眠モード][雑記]議論話の続き/まとめ+noharra氏への問いかけ
どうもです。ここのところ、色々とあった例の議論話なのですが、折角ですのでとりあえず関連の話題になったURLとかでもまとめておきましょうか。適当なので記載していないものとかがあったら済みません。
・摂津堂テクスト(当ブログ)
イラク問題のこの頃/マブダチということ
http://d.hatena.ne.jp/settu/20061122/p1
noharra氏の最初の突撃地であり、当ブログにおける論争?発生地。コメント欄にて。
コメント欄の議論のこととか。
http://d.hatena.ne.jp/settu/20061210/p1
この件に関する12/10更新時での私的まとめ。
・Kojii.net ココログ別館
ちょっとぶちまけてみたくなった
http://kojii.cocolog-nifty.com/blog/2006/12/post_7f03.html
井上@Kojii.netさんの所に於ける、noharra氏の突撃地。
私が対案提示を求めた理由
http://kojii.cocolog-nifty.com/blog/2006/12/post_dc41.html
なぜ、井上@Kojii.netさんが対話を試みたのかの述懐。
・Kojii.net
Opinion : “正しいこと” と論理飛躍の怪しい関係
http://kojii.net/opinion/col061211.html
井上@Kojii.netさんのブログの、noharra氏突撃コメント欄のやりとりを題材にした記事。「アジリテーター」について。
Opinion : 弱者は強者 ?
http://kojii.net/opinion/col061127.html
アメリカ政府に対する陰謀論その他の事例に関する考察。正確には今回の論争とは直接リンクしていないが、タイムリーに関連する話題。
・孤高
noharra氏の反米突撃
http://d.hatena.ne.jp/myhoney0079/20061210/p11
ID:myhoney0079さんの、今回の論争に関するまとめ。分かりやすいです。(ちなみに、この件に関してhttp://d.hatena.ne.jp/myhoney0079/20061210/p10にnoharra氏突撃。)
週刊オブイェクトからリンクもろた
http://d.hatena.ne.jp/myhoney0079/20061213/p3
watchネタとして取り上げた理由。
・週刊オブィエクト
焦土作戦~白燐弾で焼け野原!?~
http://obiekt.seesaa.net/article/29501363.html
まとめ+noharra氏の主張するリアリズムについての考察。おそらく、JSFさんのこの記事からまたぶわっと話題が広まった模様。姿勢制御あれ。オブイェークト。
・軍事板常見問題
【質問】軍事分野における「リアリズム」について教えてください.
http://mltr.e-city.tv/faq99a03.html#realism
ついに、軍板FAQに……。
って、<応用例>って、ちょwwwwwwww
なんというか、ウチに突撃する程度で止めときゃ良かったのに……。
ここまで派手に燃え上がる(あるいは、ネタになる)ともう処置無し、ですかねぇ……。
しかも複数箇所で突撃なさってるようですし。
二正面作戦は歴史の戒める所なのかも知れませんが、なんというか、こう、「二正面作戦ってレベルじゃねーぞ!」というか。
それはそうと、ID:noharra氏より件のコメント欄に書き込みがありました。
……あったのですがー。(以下、しばらくコメント欄の話題なのでご興味の無い方はカッ飛ばしても構いません。というか、本題は下のほうにあります。「本題」とでも検索して下さい。)
http://d.hatena.ne.jp/settu/20061122/p1#c1166048051
>>○(1N)アメリカ軍のイラク駐留は不正と災厄を生産し続けているのです。
現状ではイラク駐留は最善の選択と思われます。
これではご不満なのでしょうか。<<
(1N)アメリカ軍のイラク駐留は不正と災厄を生産し続けている。しかし
(1A)アメリカ軍の駐留なしのイラクはより多くの不正と災厄にみまわれることになろう。
settuさんの意見は、(1N)+(1A)ということでなのですね。
わたしは(1A)を否定するので、(1N)だけが際だつことになります。ところがsettuさんの場合、(1A)と切り離された(1N)をうまく思考できないようですね。
……何で余計な一言を付け加えるのかなー(苦笑
いや、逃げ……もとい、撤退するんだったら、黙って逃げ……じゃなくて、撤退すれば良いと思うんですヨ。
さもなくば、「意見の相違を見ることでしか無くて残念です、では失礼します」程度の、双方の顔を立てるような無難な、波風を立てないコメントで止めておくとか。
別に、無理に「敗北宣言汁!」とは申しません。反論出来ませんすみませんでした対案も出さず皆様の質問にも答えずにひたすら余所様のコメント欄荒らして済みませんでした、と土下座せよとも申しません。先方にも意地がおありでしょうから。心の底では「自分の勝ち!」*1だとか「結局こいつ等はアメリカと自衛隊の不正義が理解できない愚民か」とか、そんなことをお考えになっていらっしゃるのかも知れませんが、別にその幸せな幻想を崩せとも申しません。しかし、だからこそ、撤退にも礼儀ってものがあると思うんですヨ。それが互いに顔を立てておく、ということですから。
それではなく、こちらに対する非難コメントだけ残して撤退、しかも、「うまく思考できないようですね。」と相手を中傷するような捨て台詞を残して撤退ってのは、あまりカッコ良いことではないですな。というか、どう見ても最後まで議論から逃げまくった上での勝利宣言です、本当に有難う御座いました、と。
ちなみに、何か最後にいちゃもんをつけられたまま、というのも微妙かも知れませんので、一応反論しておきますと、私はそもそも、noharra氏が強硬に主張する
>(1N)アメリカ軍のイラク駐留は不正と災厄を生産し続けている。
に根拠が無い、と指摘しているのですね。ええ、何度も。
ところが、noharra氏はそれには答えず、あるいは見ないふりをしたまま、同じ文言を繰り返している。
>settuさんの意見は、(1N)+(1A)ということでなのですね。
ですから、違うと何度も言ってるんですけどね。貴方の意見には同意できません、貴方の主張にはそもそも論拠が無い、と。
前回の記事でも引用しましたが、井上@Kojii.netさんの、
http://kojii.cocolog-nifty.com/blog/2006/12/__6b76.html
わざわざ、意見を異にする人の日記に乗り込んできて対立意見のコメントを書き込むのなら、相手を説得できるような材料を持ってくるのが筋ってものなんじゃないのかなあ、と。
ただ単に「アメリカのイラク政策は間違ってる」「だから日本は関与するな」と連呼するだけでは、「じゃあ、どうすればいいと思ってるのさ」といわれればアウト。noharra 氏にはそういう自覚がなくて、「壊れたレコードみたいに自説を連呼すれば、それだけで相手が納得する」とでも思ってるのかしらん。
逆に、自説を連呼することに対して無条件に賛同のコメントが欲しいのなら、わざわざ “敵地” に乗り込むようなマネをしなくても、オルタナとか AML とか、もっと都合のいい場所はあるだろうに。
にある通りなのであります。*2
私にしてみれば、言わば、noharra氏が「アポロが月に行っていない!!!!!」*3といきなり当ブログのコメント欄で主張したのと大して変わらないのですね。アレは捏造だ! アメリカと世界人類の偉業なんてことはありえない! と。
いや、別に「アポロが月に行っていない!!!!!」と主張する……もしくは、信仰するのは構わないんですよ。(まぁ、単に「同じアメリカの話題だから」ということで別の話を持ってこられてもそもそも困ることは困る訳ですが。今回の「同じイラクの話題だから」というのと同様に。)
ただ、だったらちゃんと論拠とか説得材料とかを持ってこないと。
まぁ、持って来られても当方は「アポロは月に行っていない!!!!!」という主張に真面目に付き合う気はあまり無い訳ですが、いずれにせよ、その段階にすら辿り付いていない訳です。
「イラク駐留は不正と災厄を生産し続けている!!!!!」と主張したいなら、きちんとそれを示す客観的データ、しかも、「不正と災厄(つまり、駐留の無い状態よりも悪い状態)」を、現在「生産し続けている」データを示さないと。まぁ、そもそも「不正と災厄」が何を指しているのかすら不明なのですが*4。結局、そこの辺りから話を始めなければならない筈なんですな。本来は。
ちなみに、言うまでも無く、特定の事例のURLでも適当にコピペされても困ります。つまり、
http://kojii.net/opinion/col061127.html
アメリカのように所帯が大きい相手になれば、叩けば埃の一つや二つは常に出てくる
訳ですから。無論イラクは色々と大変な状況だから、イチャモンをつける材料には事欠かないことでしょう。というか、自分も5分10分漁ればすぐに見つけられると思います。でも、それは、「不正と災厄(つまり、全体として駐留の無い状態よりも悪い状態)」を、現在も「生産し続けている」という論拠にはならないのであります。いや、先方はそれで十分なのかも知れませんけど。
という訳で、ひたすら「アポロは月に行っていない!!!!!」と材料も持ち込まずに主張されても私は困ってしまうだけなのであります。「俺に言われてもなぁ」(CV:ちよ父*5)という感じな訳です。
つまるところ、noharra氏が「アポロは月に行っていない」といきなりこちらのブログのコメント欄で主張し出したから、いや、自分は行ったんじゃないかと思うんですヨ、と答えてあげた。ただ、それだけのやりとりなのであります。まぁ、当方としてはそもそもそこを突き詰めて議論する気も無い訳ですが。つまり、そこには論争するまでの「興味が無い」のであります。
あんまし巧い喩えじゃない気もしますが、個人的な感想としては、つまりはそういう感じなのです。ええ、個人的な感想ですね。
ついでに言えば、私は別にnoharra氏に「アポロは月に行ったんですよ?」と説得しようとも思ってもおりませぬ。noharra氏が、別にどのような信仰を持たれようと構いません。信仰の自由も思想の自由も日本国民に与えられた大事な自由なのであります。勿論、noharra氏が「そっちが間違っているんだ!」とお考えになっても構いません。noharra氏をオカルティストとして罵倒する意図は全く御座いません。おや、意見が異なりますね、と、それだけです。ただ、その信仰を(材料も無しに)こっちに持ち込まれても困るよね、と。
そういうことな訳です。
でもって。
(1A)アメリカ軍の駐留なしのイラクはより多くの不正と災厄にみまわれることになろう。
(中略)
わたしは(1A)を否定する
だから、皆さんが、その論拠は? それを、否定できる、即ち米軍駐留に取って変わることの出来るような対案は? とnoharra氏に、繰り返し、繰り返し、聞いてる訳ですけれどもねぇ……。
で、結局noharra氏はこちらの問いかけには答えることなく、
ところで、
>> いずれにせよ、私は、貴方がご自分の世界にお帰りになられる分には、一向に引き止める気は御座いません。いや本気で。
とのことなので、メインの議論はkojiiさんが拒否されなければkojiiさんのところでやらせていただくことにします。
http://kojii.cocolog-nifty.com/blog/2006/12/post_7f03.htmlのコメント欄
ということで、こちらでの議論を切り上げ、井上@Kojii.netさんの所に向かわれるようです。
こちらからの問いかけの一切には、ついに答えることなく。
つまり、ここでは初めから議論は存在しなかった、という結論になってしまいそうです。
何しろ、対話が初めから成立しなかったのですから。
noharra氏は
今回もはなはだ不十分な発言になります。
と仰っておりますが、不十分というか、殆ど無回答と同じようなものかと。
結局noharra氏がウチのコメント欄でやったことは、ひたすら無意味な文字記号列長文を書き込むことだけだった、ということであり、私や井上 @Kojii.netさん、名無しさん、通行人さんはその無意味長文に対して、そもそも意味の無い応答していた、ということになってしまうのであります。私自身は前回書いたようにお帰りになって一向に構わないのですが、私はともかく、何度も誠実に回答し、問いかけていた井上@Kojii.netさんや他の方々に対して酷い話ではあります。*6
最初の方で挙げたリンクと重複しますが、井上@Kojii.netさんはこう述べておられます。
http://kojii.cocolog-nifty.com/blog/2006/12/post_dc41.html
どうして私が野原氏に「あなたはどう考えているのか」としつこく問い続けたのか。
それは、アメリカの対イラク政策について「やーいやーい失敗しやがって馬鹿野郎」となじって、あげつらって、罵倒しているだけなのか。それとも、「自分はこうして解決するのがよいと考えるわけだが、それに照らして現状はこうだから、かくかくしかじか」と、なにがしかの識見を持った上で物事を見ているのか。その違いにこだわったからです。別に、「あなたの考えを持って行って関係者を説得してこい」だなんて無茶はいいません。
失敗をあげつらうだけでは、「おまえの母ちゃん出ベソ」と囃すのと、大して変わらないじゃないですか。そして、「俺は正義の味方だぞ~」という自己満足で終わっちゃうんじゃないですか ? それでいいのでしょうか。ガキの喧嘩じゃないんですから。
で、結局noharra氏は、この問いかけに答えることは無かった。
井上@Kojii.netさんのところにへ向かうと仰ってますが、もしもまだはた迷惑な論争を続けようというのなら、出来れば、せめて、そこで井上 @Kojii.netさんや他の皆様の誠実な問いかけ、ここで問い掛けられたものを含めての誠実な問いかけにちゃんと答えて頂ければ、と思っております。自説の主張ではなくて。
何にせよ、このままでは結局井上@Kojii.netさんやその他の皆様に対する応答の道義的義務をnoharra氏が放擲した、という動かし難い事実には変わりは無い、と。
まぁ、私個人はこの件でこれ以上の追撃をかける気は無いのですが。
……さて、まぁ先方もコメント欄で言いたいことは言い切ったようなので、こちらの本題に入りますか。
そんなこんなで、私はnoharra氏とこれ以上イラクネタ・反米ネタに関する無駄な論戦、というか無意味な文字記号列に対する応答をしたいとはカケラも思っていないのですが、先方に一点だけ「弁明」を求めたい部分はあるのですね。
という訳で、前回http://d.hatena.ne.jp/settu/20061210/p1に書いたことですが、改めてお伺いします。
http://d.hatena.ne.jp/noharra/20061209#1165619206(noharra氏)
悪への荷担を自覚できないばか?
この一文は、どういう意味なのでしょうか?
恐らく、コメントのつけ方から判断するに、私のコメントに対しての、ご意見だと思われますが。
そもそも、こちらの文章を「詐欺師の文章」呼ばわりしたり、「チャチなレトリック」呼ばわりしたり、「やれやれ。settuさんは自分の思考方法に自信をもっておられるようだ。うーん。」と仰ったり、「あなたはブログで議論する意思も能力もない! で良いのですね。」と仰ったり、その他色々と見下しモード、煽りモードの書き方をなさったり、他にもこちらでの議論に関して、「なんでも「対案を出せ」といっておけ!」「対案を出せ攻撃」「大笑い」などと品評なさったり(井上@Kojii.netさんの表現をお借りするなら、くだを巻いたり)と、色々とお忙しい方だ(今回の「うまく思考できないようですね。」も相当なものですなw)とは思っておりましたが、上記引用の一文だけは、流石に、ちょっと看過することは出来ませんw
いわゆる、「侮辱罪」にも相当する可能性があったりするのかなぁ、とも。あれはあれで犯罪なんでしたっけか。いや、自分は法律に関して全くの素人ですので、そういう面はよく分かりませんが。
という訳で、これはhttp://d.hatena.ne.jp/noharra/20061128#p1でnoharra氏がなさっている、井上@Kojii.netさんや名無しさん、通行人さんのコメント削除等の意図的編集を加えた上でのコメント転載等の話*7よりも遥かに気になるところです。いや、こっちはこっちで何とも微妙な印象、というか弁明を求めたい所ではありますけれどもねw
まぁ、井上@Kojii.netさんに、
http://d.hatena.ne.jp/settu/20061122/p1#c1165388909
# 井上@Kojii.net 『noharra 氏が自分の日記に、ここでのやりとりをコピペしているのだけれど、私の前回の発言×2 だけスルーしているのにワロタ。』 (2006/12/06 16:08)
とか、
http://kojii.cocolog-nifty.com/blog/2006/12/post_7f03.html
もうひとつ。
あなたが、私の主張に対して説得力がある反論をしていると考えておられるのであれば、御自身の日記にせっつさんのところのやりとりをコピペした際に私の発言をオミットしているのは、どういうわけです ?
とか、突っ込まれたりしてから、
http://d.hatena.ne.jp/noharra/20061209#p9
以上はnoharra11/28の続きですが、論争の原本はsettuさん及び井上さんのコメント欄にあり、こちらは(百%ではない)コピーです。
とか後から言い訳を書き加えたりする辺りもいかにも微妙な訳ですが。
……他にも、
http://d.hatena.ne.jp/noharra/20061128#c1166338231
# anatanomakedesune 『野原様
>はいはい、遅れておりまして申し訳ありません。
休日を挟んでもアップされないと言うのは、実は遅れているのではなく、都合が悪いのでアップする気が無いのではありませんか?
とか向こうでも突っ込みが入っていたりしておりますね。「http://d.hatena.ne.jp/noharra/20061209#p8に載せてるから良いんだ!!!」と主張なさるのかも知れませんが、妙なところで転載テキストを切り離して、また分けて転載ってのも微妙な話ですね。
……閑話休題。
とかく、世間ではスルー力云々とかいう議論があるようですが*8、残念ながら上に挙げたこれはスルーテーマ全開でスルーするにはいささか厳しい。
前回書いたように、これでも、これまではそれなりに丁寧な論議を心がけていたつもりでしたので。
という訳で、少なくとも、最低でもこの件に関してのみは、是非とも弁明をお願いたい所ですね。ええ、是非に。
これは、如何なる意味なのか。
これはイラク云々、思想云々以前の、一文明人たる資格、あるいは一文明人として他者に認定されるに足りうる資格を備えた者か否か、としての最低限の礼儀(言い換えれば最低限の知性と教養)のお話なのであります。
そこが問われているのであります。
関連:この辺りの件に関して頂いたメッセージやweb拍手コメント等
http://d.hatena.ne.jp/settu/20061217/p2
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4/1 最初にだましたのは誰か?
http://d.hatena.ne.jp/noharra/20070401#c1175470452
ebizoh ebizoh 『海老蔵中道右派です。
>最初にだましたのは誰か?中国まで連れて行ったのは誰か?は映画で描かれていません
最も可能性として高いのは、朝鮮人の女衒が親か本人を騙して中国に連れて行ったのでしょうね。それで日本軍に騙されたことになってしまうのは、冤罪ですね。
野原さんも被害者の証言を冷静に見ることができるようになって、良かったですね。』
ebizoh ebizoh 『ついでに、以前の積み残しの返答をさせていただきます。
元エントリが容量オーバーのため。
>--あなたの「証拠を出せ」ゲームに乗るつもりはありません。
もう、私と野原さんの間では、証拠を出せゲームとやらは、ほぼ終わっているのでは?
議論のフェーズは、お互いのほぼ共通の事実認識がある(ここに齟齬があれば、また証拠を出せゲームとやらが復活?)ことを前提に、その事実がどのような法的意味を持っているのかを考えることに移っているでしょう。
>--あなたの「証拠を出せ」ゲームを仮に前提とした場合、ミッチナ報告の読みの点であなたは矛盾を犯している。
>これを認めてください。
おそらく、証拠を出せゲームの次のフェーズである法的評価ゲーム?のことを言われていると思われますが、矛盾はありません。
1、私は、ミッチナレポートは要約部分しか読んでいないので、そこに明記してあった、レポートの調査対象となった慰安婦の平均年齢が25歳ということ、実態は戦地売春婦であること、しか知りませんでした。この事実認識からは、実態としても違法性を基礎付ける事実はなく、日本の国家としての法的責任は生じません。
2、野原さんのご紹介のサイトによれば、対象慰安婦には未成年の者がかなりの割合で存在したそうですね。しかし、当該サイトはその下段に示した参照書籍の内容を要約したものなので、サイトの筆者と参照書籍の筆者という2者の主観を経ています。つまり、2回も主観的間違いが混入する可能性があるので、原典であるミッチナレポートの本体の該当部分を確認することが本来は必要です。
3、原典確認は一端脇に置くとして、未成年者が一定割合いたことを事実と考えても、朝鮮人台湾人占領地の現地人については除外規定があるため違法ではありません。日本人の未成年者がいれば違法でしょうが。
4、そして、日本人未成年者という違法な実態を基礎付ける事実があったとしても、日本が国家責任を負い得るのは、その日本人未成年者に対してだけですね。』
noharra noharra 『○○最も可能性として高いのは、朝鮮人の女衒=日本軍の依頼を受けた三下=下級ヤクザですね。
>>>それで日本軍に騙されたことになってしまうのは、冤罪ですね。
と思うのは、旧皇軍の親族だけでしょう。
>>>野原さんも被害者の証言を冷静に見ることができるようになって、良かったですね。
なめたような口をきかれるんですね!海老蔵さまは』
noharra noharra 『エビゾーさん
>>>1、私は、ミッチナレポートは要約部分しか読んでいないので、そこに明記してあった、レポートの調査対象となった慰安婦の平均年齢が25歳ということ、実態は戦地売春婦であること、しか知りませんでした。この事実認識からは、実態としても違法性を基礎付ける事実はなく、日本の国家としての法的責任は生じません。<<<
「この事実認識から」ってあなた!!
あなたの「証拠出せゲーム」は「わたしの心の内の事実認識」なんてものを一旦出発点に立てるのですか??
何のための「証拠出せゲーム」か、意味不明ですね。
>>>2、野原さんのご紹介のサイトによれば、対象慰安婦には未成年の者がかなりの割合で存在したそうですね。しかし、当該サイトはその下段に示した参照書籍の内容を要約したものなので、サイトの筆者と参照書籍の筆者という2者の主観を経ています。つまり、2回も主観的間違いが混入する可能性があるので、原典であるミッチナレポートの本体の該当部分を確認することが本来は必要です。<<<
ミッチナレポートの本体の該当部分を確認することを誰がするのですか?
>>>3、原典確認は一端脇に置くとして、<<<
この論点についてだけは「証拠出せゲーム」は一旦中止するのですね。
その根拠は?
>>>>未成年者が一定割合いたことを事実と考えても、朝鮮人台湾人占領地の現地人については除外規定があるため違法ではありません。日本人の未成年者がいれば違法でしょうが。<<<
違法かどうかなど、私の論点ではありません。
正しい福岡県民*1なら「朝鮮人台湾人占領地住民を日本人と差別扱いする」ことなど考えられない、というのが私の主張です。
>>>4、そして、日本人未成年者という違法な実態を基礎付ける事実があったとしても、日本が国家責任を負い得るのは、その日本人未成年者に対してだけですね。<<<
そういう人はいなかったとでもお思いですか?』
ebizoh ebizoh 『>>>最も可能性として高いのは、朝鮮人の女衒=日本軍の依頼を受けた三下=下級ヤクザですね。
>>>それで日本軍に騙されたことになってしまうのは、冤罪ですね。
>と思うのは、旧皇軍の親族だけでしょう。
いえ。私の先祖には旧皇軍に参加した者はいないのですが、日本軍は違法な募集は止めさせるよう努力してたでしょ?漏れたのもいたかもしれませんけど。
>なめたような口をきかれるんですね!海老蔵さまは
いえ。本心でございますよ。野原様。
>「この事実認識から」ってあなた!!
>あなたの「証拠出せゲーム」は「わたしの心の内の事実認識」なんてものを一旦出発点に立てるのですか??
いいえ。だって、野原さんは、ミッチナレポートの内容をどう評価するかと質問されたので、正直に答えたまでですよ。
>ミッチナレポートの本体の該当部分を確認することを誰がするのですか?
議論している以上、私と野原さんの両方ができればベストですね。
>>>3、原典確認は一端脇に置くとして、<<<
>この論点についてだけは「証拠出せゲーム」は一旦中止するのですね。
>その根拠は?
その先のことを野原さんが聞きたいだろうと思ったので、仮定の話として議論に応じただけですが。
>違法かどうかなど、私の論点ではありません。
>正しい福岡県民*2なら「朝鮮人台湾人占領地住民を日本人と差別扱いする」ことなど考えられない、というのが私の主張です。
野原さんは福岡県民なのですか?私は東京都民です。
というか、差別扱いしたのは過去の日本政府ですから。
私は現在であれば人種差別はしない誇り高い日本人のつもりですが(天皇機関説が妥当と考えるので右翼ではないかも)、ただ当時の法によれば違法ではない、という当然のことを区別して言ってるだけです。
>>>4、そして、日本人未成年者という違法な実態を基礎付ける事実があったとしても、日本が国家責任を負い得るのは、その日本人未成年者に対してだけですね。<<<
>そういう人はいなかったとでもお思いですか?
いたとしたら、政府や軍の管理不行き届きは責められるべきですが、日本人慰安婦って誰も国家責任追及してないんですよね?してる人がいたらぜひ教えてください。』
4/9コメント欄
一読者 『>ゆうき様
>消極的関与と積極的関与とは別物
ごもっともです。私も逆方向にワープしてますね。
整理のため大雑把にまとめると以下のような感じですか。
1、消極的関与・・・現在の公安委員会など
2、積極的関与その1・・・売春婦的実態の軍慰安婦制度(ベトナム戦争時のものなど)
3、積極的関与その2・・・性奴隷的実態の軍慰安婦制度
私が上記サイトを読んで感じたのは、現在の主な論争が2と3の論争であることを前提に、3の立場を論証しようとしているが、十分には成功していないということですね。
資料分析部分で検証していない内容を、私の引用した部分では所与のものとしていくつか取り込んでまとめていることには、お気づきになりますよね?
>ノーモア(敬称略)
まず最後の質問については、上記回答でかえさせてください。
私とあなたの解釈の相違は、1と2・3ではなく、2と3の相違でした。
で、逃げる(あなたは罵倒がお好きですね)と言われたままなのは癪なので、具体的分析については時間をとって別途しようと思いますが、その前にまずあなたのその他のコメントにお答えします。
>「強引な解釈」といういかにも知ったかぶった言い方をした
これはあなたの主観ですね。私の主観では、素人から見た素朴な感想ですよ。上から見てはいませんね。軍の主体的関与の有無についての私の感想は、ゆうき様への回答のとおりです。実証的と感じたと言ってもその程度のものです。
>「それが認められるかは別の問題だ」と書いておいた
ええ、ですから、あなたの立場に立ったとしても法的責任追及はできないことには変わりが無いでしょうと言いたいだけです。これも、補償要求条項が慰安婦決議案に含まれていたとしても法的レベルでそれに対応するのは政府として無理だから、決議案の条項として含まれていようと、引用された秦氏の論説で言及されていないことから推測されたとおり含まれていなかったとして可決後に決議に従い新たに公式謝罪をしたら別途要求される可能性があるだけであろうと、補償の要求は無理な横車であるということを言いたいだけですね。
決議案の内容確認も別途するつもりですが、ここでは一旦後回しにさせてください。
なぜこの点に先走りと言われながら私がこだわるかというと、裏取引で賠償請求はしないから慰安婦の名誉のために強制性を認めてくれと韓国側に言われて河野談話を出した後で、挺隊協が賠償請求をやめないだけでなくアジア女性基金からの受け取りを妨害し、韓国政府がそのことをいさめないどころか新たな日本政府の補償の必要性の検討を大統領が言明したという背信的な前科があることがまず第一です。政治的決着のつもりが決着にならず新たに法的請求の根拠に援用されるなんて、自縄自縛です。
第二は、あなたもご存知であろうNYT他一紙(もしかすると数紙?)の記事で、単なる記者の意見かもしれませんが、速やかな公式謝罪と公的補償をすべきであると書かれていたからですよ。有力紙数紙でそういう世論が作られたら、たとえ今の決議案の条項に含まれていなかったとしても、決議後に新たな補償要求がなされることは十分ありえます。
白馬事件の背景と、秦氏の戦犯裁判分析に言及した各サイトの紹介は感謝します。
両者及び野原氏の別エントリの内容に共通する要素の1つとして、現地人ないし朝鮮人台湾人に対する犯罪はあまり追及されていなかったという実態分析があるのですね。
ただ、これは戦犯裁判の主体となった連合国が中国を除いては欧米人だったという要因もあるでしょうね。その当時の国際法意識の主体が欧米人であるためにそれら非欧米人の被害が裁判として俎上に載せるに際して考慮されにくかったとしたら、それもまた行為時の西欧人の法意識及び非西欧人被害者の無知の限界の反映とも考えられる訳ですよ。その法意識は、ベトナム戦争時の慰安婦についての法的責任がほとんど問題となっていないこと、奴隷貿易や黒人奴隷制度などの法的責任がほとんど問題となっていないことと同様、不平等であっても法の限界でしょう。そして、主として法的責任が問題となっている以上、条約で解決済みなのに責任追及するのは、ごり押しでしょう。
日本が仮に決議案に従い新たに謝罪したとして(賠償は条約で解決済み)、それに続いて欧米が過去の非欧米への侵略その他の行為当時は合法でも現代的法意識から見れば犯罪的な行為について全て検証し謝罪し賠償するというのなら、劇的な政治的パラダイムの変化として、欧米の搾取した財貨の非欧米への還元の第一歩として、私も肯定しますが、そんなことはありえませんよね?欧米だけが近代法の諸原則のバリアーを主張して、日本だけそれが許されないのは、それこそ不公平です。
さて、一応確認しておきますが、ここまではソースの提示の必要な資料は無いですね?全て恐らくあなたがとっくにご存知であろうと思われる資料に依拠したことしか述べていませんが、ご存知で無い点があればお知らせください。』
桃寿さんの詩「遺書を書こう」を読んでみよう。
http://cute.cd/moonly/loli-isyo.html(閉鎖)
不安定で ボロボロで すぐに崩れてしまいそうな
脆くて 駄目で 情けない グラグラのあたしだから
と詩は始まる。実際に(追いつめられて)遺書を書くことと「遺書を書こう」という文章を書くこととの間には対極的とも言うべき距離感がある。投身自殺で叩きつけられた無惨な死体とそれを無表情に観察し記録する者との距離にも等しい距離が。ということはつまり、「脆くて 駄目で 情けない」あたしの存在とそう書いている<あたし>の間にも無限に近い距離があるということだ。だがしかし、「脆くて 駄目で 情けない」と日記に書きつけるわたしはいつも書く私ではなく、書かれる私にだけ同一化している。桃寿さんの詩がありきたりのナルシズムを免れている理由は、この勘違いを決してしない点にある。ただ、しないのではなく<できなかった>のだ、と思う、彼女の場合。
まず 財産はないので その辺はどうでもいいです
それから 写真や日記なんかは 気持ち悪いので焼いてください
彼女は冷静に的確に列挙する。
恋人には ありがとう、って言って 他の人には さようなら、って
面倒だけど 伝えて下さい
「面倒だけど」というのは最後の言葉を媒介してくれる伝達者に向けられている。自殺者としたら異様な平常心だ。
一通り書き終えて 署名して 封をする
公務員にしたいぐらいしっかりしている。
書けば書くほど、書かれたものは<脆くて 駄目で 情けないあたし>からは乖離していくのだ。だから彼女は遺書を破る。そして、
あたしは窓から飛び降りた
「―――――。」
彼女は閉塞を拒否し行為を選ぶ。
だが、そこにも錯誤しかなかった(とたぶん彼女は書いている)。
代理母の場合
わたしたちの世界は所有権を不可侵のものとしているがこれはおかしい。例えば、世界的な美術品などを私有して破壊してしまうといった行為が許されないのは当然だ。同様に人間を私有することも許されない。しかし、現在日本でも過労死などはよく起こっている。これは実質的にその人間が私有された結果だと捉えられるのではないか。それに対し、基本的に分配可能なものは分配すれば良い、と立岩氏は言う。
分配不可能なものはどうか。例えば、代理母が産む赤ちゃん。当初は子宮を貸すビジネスとして割り切れると思っていたがそうはならず、“そのもの”(赤ちゃん)とわかれられない。これが、「分けること、どちらかに帰属先を決めることが必要な場合もある。世界が既にあり、その中のあるものを私も欲しいしあなたも欲しい。」*1一つを半分に分けることはできない。そうした場合である。
どちらに与えるか?実母(子宮提供者)に優先を与えると、ドゥルシラ・コーネルは言い立岩も賛成する。ただその理由は違う。実母に子供を手放せということは、「自らの性に関わる存在を表現する権利」を奪われることだ、とコーネルは言う。それに対し、立岩は「自らが作っていくその子との関係において、関係に対して自ら表現するものが権利性を規定するのだとすれば、親であろうとしている二人に区別はないのではないか。」
「その理由は、その人に対して、人との関係において、その人が接してしまった、既に会ってしまったことにある」だろうと立岩は言う。「そのこと自体においては自由なあり方ではない。」関わり自体は全くの偶然だったかもしれない、としてもその出会いをやり過ごすことが出来ず、出会ってしまった。「その存在に接する人、接してしまう人がそれについての権利を付与される」と考えるべきだろう。権利といっても、「それは決定できる権利ではなく、むろん処分できる権利ではなく、そのもとにいること、留まることについての優先を与えられるという権利である」が。
「ここで起こるのは、私の期待や願望が途絶し挫折すること、あるいはそんなたいそうなことは起こらないまでも、期待や願望と別のところに別の存在がいてしまうことを感じてしまうこと、そのことに伴って、そのものが存在し続けることに関わることを引き受けざるをえないと思う、そのような出来事である。*2」
ハイデガーはなぜ死についてなんか思索したのだろう、死ではなく誕生の方が微細に観察可能であり思索も深まるはずだと思った人は多いはずだ。21世紀になり立岩はついにその課題を達成しつつある、と言っても決しておおげさではないと思う。*3
*1:p267 isbn:4000233874 金銭を介した代理母契約は無効、とコーネルも立岩も言う。民法でもそうですね。ただ金銭を介さない場合、コーネルは認める。
*2:同書p270
*3:『私的所有論』の時から書いてたような気もするが。