ところで、「テロ関与の疑いでグアンタナモ米海軍基地に収容している660人」はどうなった。彼らにも公開裁判を受ける権利を認めろ。公開裁判ができないのなら直ちに釈放せよ!
旧聞ですが1月8日毎日新聞に下記のニュースがありました。
http://www12.mainichi.co.jp/news/search-news/894919/83C838983N-20-28.html
【28】イラク:
拘束の約500人釈放 幹部情報に懸賞金 占領当局
2004.01.08
【バグダッド成沢健一】米英占領当局(CPA)のブレマー行政官とイラク統治評議会のパチャチ議長は7日記者会見し、駐留米軍が拘束した1万2800人のうち約500人を8日から釈放すると明らかにした。また、武装勢力幹部とみられる約30人に懸賞金をかけて手配する方針を表した。融和策拡大により、旧政権や武装勢力幹部の拘束に向け、イラク国民に協力を促す狙いがあるとみられる。
占領当局幹部によると、釈放予定のイラク人は506人。第一弾として8日、バグダッド郊外のアブグレイブ刑務所に収容されている約100人を釈放。その後、数週間かけて各地の刑務所にいる拘束者を釈放していく。対象は旧政権への間接的な協力者に限られ、連合軍を攻撃した実行犯などは除外される。今後攻撃は行わないとの誓約書署名や、地元有力者が身元引き受け人になることが釈放の条件となる。
[毎日新聞1月8日] ( 2004-01-08-01:06 )
この記事を見て気分が悪くなったのは、イスラエル当局がやってきたこととそっくりだ、ということ。数万人のパレスチナ人を何年も拘束しそれほど多数でない人々を「釈放する」と大きな声で報道する。上記にあるようにこれは「融和策」であり、それに応じて相手は譲歩を示すべきだとされる。だいたい平和な村にやってきて攻撃の前科があるわけでもないのに手当たり次第に引っ張っていく。それで数年後に返すときは感謝しろ!冗談も休み休み言え、というようなものなのだと思います。
http://d.hatena.ne.jp/noharra/20031125 にも書いたが、ここでも言いたいことは、(こうした政策は間違っていて直ちに止めるべきだとわたしは思うが、まあーそれとは別に)イスラエルでは当局は長い歴史の中でそういう政策を採らざるを得ない立場に追い込まれているとも理解できる。しかしイラクにおいては違う。イスラエルにおいて長い年月を掛け相手を鎮圧するという効果を生まないことが完全に実証された政策を採るのは百%馬鹿げたことだ。頼まれたかなんか知らないがそんなとこに行く自衛隊員もどうかと思う。
自衛隊員の責任を問うのは如何なものか、という反論があろう。でも前にも言ったが公務員は命令を聞くだけではなく、その命令が正義に反しないかどうか判断する義務がある、と私は思っています。
続報http://www12.mainichi.co.jp/news/search-news/894919/83C838983N-0-18.html上の記事が当局発表そのままだったのでさすがに気がとがめたのか、続報では、約100人の釈放に対し「刑務所前には釈放を待つ家族ら約1000人が集まった。しかし、多くの人の家族は釈放者の中に含まれず、人々は駐留米軍への強い不満を口にした。」など、釈放を待つ人々の側に立とうとする姿勢があった。
http://www12.mainichi.co.jp/news/search-news/894921/83C838983N-0-17.html
ついでに上記から、
サマワ署のサアド・ムハンマド副署長は「サマワ市民の多くは仕事がなく、空腹の状態が続いている。自衛隊派遣が雇用創出につながらない場合、市民の落胆は大きく、派遣は失敗するだろう」と話している。