ホーム › フォーラム › 韓国の小説を12冊読む › 5 チョン・イヒョン 優しい暴力の時代 など
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noharra
キーマスターnoharra
キーマスター田坂さま
いつも長い手紙をありがとうございます。(2023.7.10)昭和34年(1959).4.10〔19歳が皇太子夫妻に投石〕
東京都皇居前で御成婚パレードの皇太子夫妻が乗った馬車に、長野県の浪人生(19)が投石し、さらに馬車に駆け寄ってよじ登ろうとしたが、警官隊に逮捕された。「天皇制には反対だ。こんな人を集めて道を開けさせるなどけしからん。引きずり落として訊いてみようと思ってやった。ふたりが結婚するだけで2億3千万円もつかっている。税金は福祉事業につかうべきだ。こんな馬鹿げた行事は今後いっさいぶちこわしてやる」
https://remmikki.livedoor.blog/archives/5199808.html という事件があったのですね。私はまったく知りませんでした。
「中山建設」という奇妙なお名前の青年。三島由紀夫も深く感動したとのことですね。
《そこではまぎれもなく、人間と人間とが向い合ったのだ。馬車の装飾や従者の制服の金モールなどよりも、この瞬間のほうが、はるかに燦然たる瞬間だった》――。また、こうも述べている。
《それにしても人間が人間を見るということの怖しさは、あらゆる種類のエロティシズムの怖しさであると同時に、あらゆる種類の政治権力にまつわる怖しさである》(三島由紀夫著『裸体と衣裳』より引用)田坂さんは幼くして非常に鋭い感受性をお持ちだったんですね。
2014.6.29日の新宿での焼身自殺事件のことを思い出しました。
「安倍政権が進める集団的自衛権の行使容認に反対したものといわれるが、なぜ新聞やテレビではあまり報道されなかった」
https://news.yahoo.co.jp/articles/fd609fa665e22b8f44200a4b0261dc771bd7c43d
とされます。
https://www.facebook.com/watch/?v=1502845223267301
衝撃的動画がありました。
政治的なメッセージを衝撃的な手段で訴えたものであり、権力に都合が悪いのでむりやり報道を少なくしたものだと思われます。「中山建設」事件も非常に明確な政治的メッセージのためのものだったのに、そのようには報じさせないとする強い意志が働いた。むりやり「精神異常」にしてしまった。
今回の、山上の勾留の場合も、非常に長期間の精神鑑定を行いました。マスコミなどの市民との交流を閉ざし、なんとか本人が発言することを抑圧するという強い意志がありました。「優しい暴力」というにはちょっと強すぎる気もします。
投石し、さらに馬車に駆け寄ってよじ登ろうとしただけなら、障害でもないし、大きな罪ではありません。しかしこの人はたぶん一生村八分にされたのではないでしょうか。というように思いました。
(今回もちょっと、手紙を分けます。後半はまたいずれ。)
野原燐 -
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