ホーム › フォーラム › 韓国の小説を12冊読む › 4 ファン・ジョンウン/ 年年歳歳
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noharra
キーマスター4/29 に 4人参加で 読書会しました。
Nさん 宛 メールを書いてみたので、ここに転記します。
NHKテレビは「ベルリン 戦後ゼロ年」という番組でしたね。あのレイプによる出産の記録が印象的だったと丹羽さんが言われて、私もそう思ったので、ビデオを少し見直しメモを書いてみました。
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昨日の集まりでは、
「制服姿の生徒たちがその病院を588、588と呼び、その病院近くの一帯を汚れているように思い、ありったけの怪談話をしていた、(略)
二回、そこに行ったとイスンイルは言った。ハンヨンジンが生まれる前と生まれた後に。」p70(年年歳歳) の前後についても議論しました。「オンニ。 「洋(ヤン)セクシ」という言葉知っている?」p162
ニューヨークのシーンで洋セクシという言葉がでてくる。これはパンパンという言葉と意味もほぼ同じで人を傷つける差別用語だという点でも同じです。その直前の時代の「日本軍従軍慰安婦」とも共通点が多い。「ベルリン 戦後ゼロ年」、というNHK番組を私と丹羽さんが、見た。
そこで、ヘルケ・ザンダーという人が1992年に「BeFreier und BeFreite」というドキュメンタリー映画を作ったと紹介されていた。
そこでは、「1946年に生まれた子どものカルテを見れば、
3.7%がロシア人、
1.2%がアメリカ人、0.7%がイギリス人、0.4%がフランス人です。
こうしたケースの多くは 強姦であったと付記されています」
と資料付きで紹介されていた。ところで、日本の場合も、満州・朝鮮から命からがら返ってきた人のうちそうした被害にあった若い女性は少なくなかった。しかし彼女たちを「救う」ため、いち早く堕胎専門の病院が作られ大活躍したのだ。
https://www.sankei.com/article/20200812-ZHMSFBHVV5ODJGF2ST7B6V6KSU/
秘密の中絶施設、二日市保養所(福岡県筑紫野市)
こちらに記事がある。
「法文学部助教授で後に著名な文化人類学者になった泉靖一氏が「中絶する施設が必要」と国に働きかけ、施設を設けることになった。」
「当時、母体保護法もなく中絶(堕胎)手術は堕胎の罪として違法だった。」「当時の診療録は焼却されたようだ」とある。
当時の状況においては、それは本人にとってもよりマシな選択と思われただろう。
ただし、こうした強姦のような出来事を被害者女性にだけおこったアクシデントとして、なかったことにして消去し忘れることが善だ、本当に言えるだろうか。
事実は事実として認め、被害者や生まれてきた子への差別を絶対に認めない社会を作っていかなければいけない。ベルリンにおいても、記録はザンダーさんが発掘したという性格のもので、歴史書にちゃんと書かれて市民に知られているということではなかったようだ。それにしても、記録を書類を残そうという熱意がない(安倍さんのように捏造を命じる)日本との差は大きい。
それと「堕胎」については考え方の違いがあるが、日本の福祉は、本人の意志を確認せず、行政のパターナリズム(相手の利益のためには、本人の意向にかかわりなく生活や行動に干渉し、制限を加えるべきであるという思想)が強いことは事実。
そして堕胎の場合、正規の婚姻内の子どもでないと堕ろすべきというパターナリズムが日本の場合圧倒的に強い気がする。ところで、年年歳歳を読むと、「洋セクシ」という(たぶん事実に反する)差別によって、母と子が苦しめられ、何十年も経ってもまだ癒やされない人がいることが分かりました。
————noharra
キーマスターnoharra
キーマスター以上、4・ファン・ジョンウン 年年歳歳のp162にある「洋(ヤン)セクシ」という言葉、からいろいろ思いついたこと、でした。
noharra
キーマスター田坂さんからの手紙が漏れていたので紹介します。
http://666999.info/noharra/wp-content/uploads/2024/03/20240310_234608_0001.jpg
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