http://www.mext.go.jp/b_menu/shuppan/sonota/990301/03122601/003.htm
小学校学習指導要領(平成10年12月告示、15年12月一部改正)-第2章:各教科-第2節:社会
(1) 我が国の歴史上の主な事象について,人物の働きや代表的な文化遺産を中心に遺跡や文化財,資料などを活用して調べ,歴史を学ぶ意味を考えるようにするとともに,自分たちの生活の歴史的背景,我が国の歴史や先人の働きについて理解と関心を深めるようにする。
ア 農耕の始まり,古墳について調べ,大和朝廷による国土の統一の様子が分かること。その際,神話・伝承を調べ,国の形成に関する考え方などに関心をもつこと。
イ 大陸文化の摂取,大化の改新,大仏造営の様子,貴族の生活について調べ,天皇を中心とした政治が確立されたことや日本風の文化が起こったことが分かること。
ウ 源平の戦い,鎌倉(かまくら)幕府の始まり,元との戦い,京都の室町に幕府が置かれたころの代表的な建造物や絵画について調べ,武士による政治が始まったことや室町文化が生まれたことが分かること。
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7/03(1)への応答
#drmccoy 皇国・皇軍が「強制」したとおっしゃいますが、具体的にどのような方法で強制したんでしょうか?
(野原)住民の半数が米軍に“保護され”生きのびています。皇国・皇軍の「強制」がなかったのなら、彼ら(死んだ方の半分)はなぜ死ななければならなかったのでしょうか。
自殺した以上そこには自己の意志という契機が存在している。つまり「一種のマインドコントロール」の下にあったのだ、と(スワンさん発言の援用して)野原は主張しますが、だからといって幾ばくの自己責任が存したことは否定しません。
彼らの死が百パーセント強制によるものと言えるのか?とマッコイさんは論を立てているようですが、彼らの死の原因をたずねた場合、それが共同体の常識だったという意味を含めた強制が大きく作用していたといいうる、というのがわたしの主張です。
サイパン島の崖の上から
崖
石垣りん
戦争の終り、
サイパン島の崖の上から
次々に身を投げた女たち。
美徳やら義理やら体裁やら
何やら。
火やら男だのに追いつめられて。
とばなければならないからとびこんだ。
ゆき場のないゆき場所。
(崖はいつも女をまっさかさまにする)
それがねえ
まだ一人も海にとどかないのだ。
十五年もたつというのに
どうしたんだろう。
あの、
女。
(「表札など」『石垣りん詩集』ハルキ文庫p89)
責任の欠如・強制の欠如というイデオロギー
isbn:4480857621 『南京大虐殺は「おこった」のか』筑摩書房 1998
クリストファー・バーナード著
という本が図書館にあったので借りて読んでみた。
以下メモ。(ちゃんと説明するのに手数の掛かる本なので、分かりにくいままですまぬ。)
まとめ
日本の歴史教科書(特に日本史)は偏向している。
この偏向は責任の欠如や強制の欠如というイデオロギーを表明している。
このイデオロギーは日本国の権力保持者の面子を守ろうと努めている。*1
この本は、日本の高校で1995年に使われた全88種類の歴史教科書を全部比較したものです。
取り上げたのは、いつも論点になる、南京大虐殺、真珠湾/パールハーバー、815など4点*2。
テーマは書いてあることは事実か、という問いではない。文体レベルの微細な差異によって、受ける印象はずいぶん変わってくる。そのような差異を扱っている。
幸い、日本とほぼ同時期にドイツ・イタリアも開戦し、敗戦した。したがって、ドイツ等の記述と日本に対する記述を比較できるわけである。
教科書からのサンプル1
ドイツはオーストリアを併合し、1939年には独ソ不可侵条約を結んだのち、9月ポーランドに侵入した。p80
教科書からのサンプル2
日米交渉はゆきずまり、12月8日未明、日本軍はイギリス領マライに奇襲攻撃をおこなうとともに、ハワイの真珠湾に空から奇襲攻撃をかけ、アメリカ・イギリス・オランダに宣戦を布告した。これが太平洋戦争のはじまりである。p76
上では「侵入した」という攻撃を示す動詞が最も強調されている。
このような(広い意味の)「攻撃」が本動詞になっている場合が、日本の場合は9%だが、ドイツの場合は40%になっている。
後者の場合、前者と違い、国家ではなく軍が行為主体となっている。
軍が行為主体となっている率は、日本が49%、ドイツは19%である。
ポーランドに侵入した」という切迫した文章に対し、「これが太平洋戦争のはじまりである。」という文章は説話的である。「ストーリーを語ることから一歩下がって、時間を超越した全知の観察者の立場にたち、すでにおきたことについて論評しているのである。」*3
つまり、日本国や日本軍何れに対しても攻撃の責任はさほど明確に与えられていないし、攻撃は「主たる話」にはなっていない。p82
責任の欠如とよべるイデオロギーに結びついた用法のパターンが教科書に見られる。p82
(以上 メモ)
小林万里子久しぶり!
▼「反戦ミュージックat京大西部講堂2005」
2005年9月10日(土)11日(日)京大西部講堂
入場無料
公式ホームページ
http://www.antiwar-music.com/index.htm
▼講堂前広場特設野外ステージにてライブ
9月10日(土) 14:30~21:00
クラワンカ、楽団モラトリアム、ヤブレカブレ、ISSIN、井上卓、ハチワレ天満宮、ジェロニモレーベル、ピカリンス、Lucky Lips、アジビート
9月11日(日) 15:00~21:00
LOVEDLOVED、ファルソス・ヒターノス(にせジプシー)、軍鶏礼賛、あうんさん・すうじぃ、SANPACHI、AUX、Mademoiselle
Fleur、小林万里子、吉田一平
▼反戦デモ
「小泉戦争内閣ぶっつぶせ!自衛隊イラク派兵と戦争国家化を許さない9.11反戦ミュージックデモ」
9月11日(日)
12:00 三条河川敷集合
13:00~15:00 デモ(三条河原~京大西部講堂)
▼広河隆一さん写真展
西部講堂内にて広河隆一さん写真展を開催。
▼京大西部講堂:京都市左京区、百万遍交差点より東大路を南へ徒歩すぐ
京阪出町柳駅下車、徒歩15分
市バス百万遍下車、徒歩3分(3、17、31、65、102、201、203、206系統)
市バス京大正門前下車、徒歩5分(31、65、201、206系統)
▼駐車場
会場に駐車スペースはございません。最寄りの駐車場をご利用ください
最寄りの駐車場
100円パーキング(京都市左京区田中西樋ノ口町)
100円パーキング(京都市上京区信富町)
京都市駐車場公社(京都市上京区青龍町)
▼期間中のみ西部講堂内および講堂前広場にてテント泊可能
ご利用の方は事前にご連絡ください。
▼スタッフ募集!
仕込み、本番、撤収など、それぞれご都合のよい時間でお手伝いをしてくださるボランティアスタッフを募集しています。汗まみれ、泥だらけになりますが、きっと形にならない大切なものに出会うことができるでしょう。
▼下記連絡先までお気軽にご一報ください
antiwar-music@hotmail.co.jp(吉田一平)
今何か変なことを書いただろうか。
村田さん コメントありがとう。
「ふんふんふんっ」などについて、問題提起してみたものの自分では答えがうまく見つからず書けずにいました。
(1)
Panzaさんの「神である叙述者(作者ではなく)のナルシシズムを相対化するための自己ツッコミである。」、村田さんの「自らツッコミを入れることで語り手=主人公を相対化したり複数にしたりする力」は正しいような気がします。「叙述者-読者」という関係において、叙述者が独走し読者が付いて来れなくなるのを避け、一方読者にこれは普通の平板な小説ではないよという警告を与え小説を立体化するという効果を果たす、という感じでしょうか。
(2)
「私はヒトだ。」という文に対し、「私はヒトだ。そうだよ、ね、ね。」という文の差異を考えましょう。前者のメッセイジは文の意味がそのままききとられるであろう平静な事態を想定しているのに対し、後者は私がヒトではない充分な可能性(危険性)を持つとする冷たい聞き手を前にしているという危機感を表している。語り手と場の空気との関係を表現するものが、「ね」とか「けっ」というかいう文末の直後に付く間投詞であるわけです。「ふふんふふーん」もその類だと理解しました。『金比羅』は小説ですから“語り手と場の空気との関係”と言ったときの、「場」とは小説に描き出された場でしかないはずです。作者はどんなに変幻自在な妖怪を暴れ回らせる自由もありますがそれは作品の中のことであり、読者には1mmも近づくことができません。
結局ここでわたしは躓いているので、「ここ」とは小説の読解に必要なところではなく、わたしがインスタントにでっちあげようとした「理論」が、素人が椅子を作ろうとしたときのように足がまるまる一本足りないことに気づいたは良いがそれの是正の仕方が分からず立ち往生している、といった状況です。で上手く説明できないしそもそも説明する価値のあることでもないような気がするのですが、しないと抜けられないので、します。
(3)
つまり、(1)では「叙述者-読者」という関係が語られているのに、(2)では「作中人物-作中の場」という関係が語られている。文の構造分析みたいな視角からは、(2)しか語り得ず、(1)は飛躍があるような気がするのです。
(4)
『S倉迷妄通信』p141などでは、
「今何か変なことを書いただろうか。」という文が現れる。
実はルウルウだけが通力のある化け猫だったのだ。(略)
今何か変なことを書いただろうか。(略)p141
四日後ドーラは走り回り、日に何度もカリカリを貪り喰った。ただ自分が人を殺したという感触だけは残った。(略)でも本当を言うと、私は殺してない。--今何か変なことを書いただろうか。(略)p137
猫を愛する平凡きわまりない日常から血みどろの殺害シーンへ、という位相差を飛躍としてでなく連続として笙野は描きたかった。だが、平凡な日常から血みどろの殺害へを連続的に描くことはできてもそれでは<連続>を描くことにはならない。読者の意識の中にある日常と殺害の絶対的断絶というものに働きかけるにはどうしたらよいか。その方法の模索として、殺害シーンに読者が感じているであろう異和感を、隠蔽するふりをしてかえって励起させるために、「今何か変なことを書いただろうか。」という文が挿入される。
これは、小説は最後の頁の最後の1行まで小説の中の世界を描くという小説のルールの侵犯だ。劇中から観客に向かって物を投げてくるようなものか。
(5)
「野生の金毘羅の鳴き声」であるところの「ふんふんふんっ」はまた、劇中で観客に向かって投げられる物、とも規定できる。
体験を語りうる戦争
ニューヨークの芸術家の街グリニッチ・ヴィレッジの若い人ばかりのあるパーティーに、どうしてもお前に会わせたい奴がいるといってつれて行かれた。パンチをすすりながら古ぼけたピアノのそばでひき合わされたのは、見上げるような長身の青年だった。郊外の小さな新聞を一人でやっている有能なジャーナリストという紹介であった。
パンチのグラスをカチッと合わせると、「十六回、十六回もやったのだ」といって彼は微笑した。精悍な額と涼しい眼が印象的だ。彼は第二次大戦の若い学生パイロットの一人で、沖縄作戦にも参加し、大和を轟沈するまで、空母との間を十六回も往復してアタックを続けたという。
あんな素晴しい戦艦は見たことがないし、一機の援護機もない孤軍奮闘ぶりも実に見事だった。ああいう巨艦の乗員名簿に名前をつらねることのできたお前は実にラッキーな奴だと言いながら、しまいには私の肩を抱きかかえるようにした。サッカーか何かの試合のあとでユニフォームを脱ぎながら、敵の選手から「今日はシュートを十六回もしたんだぞ。全く苦労させやがる」というようなことをいわれているゴールキーパー、私の気持はそれに近かった。執拗な攻撃をくり返したという報告は、恨み言でも詫び言でもなく、お互いに苦労したという共感につながる愉しい思い出話にすぎない。アイムソリーという言葉も、そんな素振りすらもなかった。
だいいち彼だけが私に謝らなければならないという理由はない。彼は私のまわりに爆弾を雨あられと降りそそぎ、そのあげく大海の中にほうり出したが、われわれの機銃弾も数限りなく彼の愛機をかすめたはずだから、あいこというわけだろう。私は荒海を何時間も漂っている絶望感を、できるだけ即物的に話してやった。彼は面白い世間話に対するようにそれに聞き入っているだけで、特別の反応を示さなかった。わが艦隊は弱かったから潰滅したのだし、海に棄てられた私は、いのちのある限り泳ぎつづけるのが当然で、それ以上の関心の持ちようがないというところかもしれない。
ほかの青年がわれわれの間に割り入んでくると、彼はさりげなく日本映画の評判に話題をかえた。話題への関心の重さも、戦争の話と変わりがないというような屈託のなさであった。もしまた将来われわれが戦うことがあるとしたら、彼も事もなげにタフなアタックをくり返すだろうし、そしてまた再会の折があったら、同し調子で肩を叩くだろう、私はそんなことを考えつづけた。
吉田満「異国にて」*1
戦後保守派は一貫して普通の国あこがれ続けてきた。皮肉にも小泉の勝利は、普通の国路線の敗北になった。なにしろ東条無罪ですからね(笑い)。
健全なる男子が屈託なく軍務に就き、それを生涯誇りにして生きていく、そのような兵士というものも現実にいるのだ、ということを私たちは知らなければならないのだろう。*2
戦争ができる国に成ることは絶対悪ではない、とわたしたちは言わなければならないのかもしれない。しかしながら、自国民を何百万殺そうが原理的に反省できない、靖国という無限の寛容は、絶対悪である。
1959年段階での戦犯観
http://d.hatena.ne.jp/nenecoconeneco/20051103
(仮)日記 – 木曜日
連合国によりBC級戦犯とされ刑死した旧軍幹部らの靖国神社への合祀(ごうし)をめぐり、旧厚生省(現厚生労働省)が一九五九年四月、各都道府県に公表を控えるよう求める文書を出していた
(略)
「部外(多数の一般戦没者遺族を含む)」からの神社側への投書などに表れた意見に照らし「重大な誤解を生じ、ひいては将来の合祀にも支障を起す恐れもある」との懸念が記されていた。
BC級戦犯というと、冤罪であった(と思われる)ケースが強調される。
例えば、マレー半島のネグリセンビラン州でのパリッティンギ村というところで、約600人の村民が集団虐殺された。I中尉が責任を問われた。ほか二人とともに処刑された。I中尉について冤罪説がある。*1I中尉の遺族にとっては彼の名誉に関わる大きな問題であろう。しかし、I中尉の遺族でもその軍の関係者ないものが「冤罪である」と強調するのは如何かね。われわれに関係があるのは、日本軍による村民の集団虐殺の存否という問題である。その点について否認説は存在しない。したがって冤罪云々は別に強調されるべき論点ではないはずだ。冤罪を指摘することは、BC級戦犯全体に対する同情的イメージを再確認することになるが、そのようなイメージ自体、<殺されて省みられない者たち>から見た場合犯罪的であるだろう。
BC級戦犯=同情されるべき犠牲者、というイメージに同意しない人々が国民の間に無視しえない割合で存在したのだ、1959年当時は。ということを証す貴重な記録である。
*1:参考:p123『BC級戦犯』isbn:4004309522
2005-11-28
id:noharra:20051129 という表現が転写されることへの註釈
Kojii.net ココログ別館 12/04
http://kojii.cocolog-nifty.com/blog/2006/12/post_7f03.html
Kojii.net ココログ別館: ちょっとぶちまけてみたくなった
12/04/2006
ちょっとぶちまけてみたくなった
主張している内容が「平和主義」っぽいものであったとしても、「闘争」とか「たたかい」とかいう言葉を前面に押し出して活動しているような人のことは、私は金輪際信用しません。
…って、書いてみたくなったのさー (苦笑)
追記 (2006/12/12)
「週刊オブイェクト」で、ここでのやりとりについて取り上げていただきました。
12/04/2006 in 今日のひとこと | Permalink
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どうもです。ここのところ、色々とあった例の議論話なのですが、折角ですのでとりあえず関連の話題になったURLとかでもまとめておきましょうか。適当なので記載していないものとかがあったら済みません。 ・摂津堂テクスト(当ブログ) イラク問題のこの頃/マブダチとい… [Read More]
Tracked on Dec 18, 2006 12:06:36 AM
Comments
いつも思うことなのですが、何故彼らはひらがなで書くんでしょうか?
Posted by: flanker | Dec 4, 2006 10:08:21 PM
ひらがなで書いた方がソフトに見える、という理由じゃないでしょうか。口で発音すれば同じなのに (笑)
Posted by: 井上 | Dec 4, 2006 11:14:30 PM
きれいな闘争、きれいなたたかい、とかいうやつですね!><
Posted by: せっつ | Dec 4, 2006 11:19:10 PM
はじめまして
>ちょっとぶちまけてみたくなった
とはいえ、それに素直に脊髄反射しても、誰もほめてくれないんですよねー。
おとなってたいへん。
Posted by: ウェハ | Dec 4, 2006 11:51:19 PM
ここはどこだろう。たたかっているひとだらけだ。でも、かれらはみんな「はなせばわかる」としゅちょうしながらたたかっている。
「はなせばわかる」としゅちょうするこういに「たたかい」というかんばんをかかげる、あたらしいじだいのはじまりだ。こんなむじゅんしたげんせつがつうようしてしまうのだから、オトナとしていきていくのはたいへんなことだ。これから、ニッポンはどうなるのだろうか。
…某日の「天声人語」風にお送りしてみましたw
Posted by: 井上 | Dec 5, 2006 12:16:43 AM
こんにちわ。
>>わざわざ、意見を異にする人の日記に乗り込んできて対立意見のコメントを書き込むのなら、相手を説得できるような材料を持ってくるのが筋ってものなんじゃないのかなあ、と。
ブッシュドクトリンが破綻したからラムズフェルドは首斬られた。イラク派兵は悪への荷担でしかない。日本は直ちに派兵撤回せよ。という論理は充分説得的ですよ。
Posted by: 野原燐 | Dec 9, 2006 11:31:19 AM
私がいつ、「アメリカのイラク政策が正しかった」なんて書きましたか ? 私がいっているのは、「アメリカは間違いをやらかしたが、それをあげつらっているだけでは解決にならない」ということです。そして、別エントリのコメ欄では「長老方式」が現実的ではないか、ということも書いている。
中東の石油に依存している日本としては、中東がこれ以上戦乱でガタガタする事態は避けなければならないし、そのために手を差し伸べられることがあるならするべきです。たとえ、元の原因 (OIF) に問題があったとしても。
しかしあなたは、「アメリカが撤退しただけですべて解決する」ということはない、という私の見解については同意しつつも、その一方で具体的な解決策はなにも提示しておらず、「対案を出せ攻撃」などとクダを巻いているだけではありませんか。とどのつまり、あなたの主張は「日本はイラクから手を引いて “いい子” でいろ」といっているだけであり、それを私は一国平和主義だといったのです。
他国で起きている争乱に一切関わらなければ、日本が平和っぽい状態でいるように見えるでしょう。いわゆる平和主義者はそれで満足するかもしれない。しかし、日本が他国と交易する中で経済を成り立たせており、他国の騒擾が日本経済にも影響することが多い以上、江戸時代みたいに鎖国して、一人だけ知らぬ顔の半兵衛を決め込むことはできないのです。
理想主義は大いに結構。ですが、物事が常に理想通りに進むものではないし、ベストとはいえない「ややマシな選択肢」をとらなければならないことも多い。状況が理想通りではないからといって放り投げてしまったり、理想論の中に引きこもってしまったりするだけでは、世界政治は成り立ちません。
Posted by: 井上 | Dec 9, 2006 11:53:10 AM
もうひとつ。
あなたが、私の主張に対して説得力がある反論をしていると考えておられるのであれば、御自身の日記にせっつさんのところのやりとりをコピペした際に私の発言をオミットしているのは、どういうわけです ?
Posted by: 井上 | Dec 9, 2006 1:52:31 PM
メモ。
安全保障理事会決議 1511 (2003)
2003 年 10 月 16 日の安全保障理事会第 4844 回会合で採択
http://www.unic.or.jp/new/pr03-116.htm
【質問】
自衛隊のイラク派兵はすべきだったのでしょうか ?
http://mltr.e-city.tv/faq01j.html#02153
Posted by: 井上 | Dec 9, 2006 8:20:47 PM
井上さん
>>>「対案を出せ攻撃」などとクダを巻いているだけ
なんと。失礼ながらここまでトンチンカンな方だとはいうのは、私の理解の外でした。
イラク情勢について日本が「対案」を持っていって一体誰が取り上げてくれるのですか?まさに「対案を出せ」シンドロームに脳髄を犯されているのですね。
ある課題を解決しなければならないという共通了解が存在するとき、その課題を解決するために一定効果があると思えるAという対策に対し、対案Bを示さずにそれを否定するのは、賢いやり方ではないでしょう。しかしそれはAの主張者がその問題について権利と能力を持っている場合だけあてはまることです。その問題について権利と能力を持っていない場合、イラクにおける米国がまさにそれに当てはまります。
さてイラク問題について、最初に確認しておかなければならない問題は、誰の利益の為の誰の問題なのか? という点です。
イラク人の利益の為のイラク人の問題なのか? それとも、
アメリカ人の利益の為のアメリカ人の問題なのか?
前者でなければならないことは明白です。しかしアメリカは圧倒的な暴力でイラク国家を破壊してしまいました。したがって「イラク人の問題を解決すべき主体=イラク国家」が不在になってしまいました。ここでアメリカが何としてもしなければ成らなかったことは、“多少不満でもイラク人が自らの代表として認め” かつ親米的国家を成立させることです。二つの条件は背反することが多いので困難な課題でした。で2003年5月からの3年半この難問をアメリカが解決し得たのかというと答えは否です。2年前に比べても治安は悪化の一途を辿っておりイラク国内は悲惨そのものです。
国際問題は視点によって評価がまちまちになりがちなので、これほど「失敗」という評価が一致する事件はめずらしいですね。
アメリカ人の利益の為の国家を「イラク人の利益の為」とごまかすことにより成立させることを追求した米国の戦略が失敗したのです。したがって米国は敗北を自認しイラクから退却するべきでしょう。
それが米国の利害に反するなどというのは敗北者の寝言にすぎません。米国はもともとイラクを統治する権利など持っていなかったのであり、いわば泥棒が他人の嫁になろうとしていたにすぎないのですから。
で、日本の立場ですが、「これからどうするか?」もへちまもないのです。日本はいかなる意味でも当事者ではないのですから。いかなる正当性も獲得できなかった(アメリカにとってはそれだけで済んだがイラクは人民と国土をずたずたにされた)イラク占領への荷担を直ちに止めるだけのことです。
で、以上の主張は一国平和主義とも理想主義とも何の関係もありません。泥沼はすぐに抜け出さなければますます深くなり(60年前の日本のように)平和だった本土が焦土になることさえ起こるのです。これはリアリズムです。
Posted by: 野原燐 | Dec 9, 2006 9:58:11 PM
あなたが書いていることは、「自衛隊がイラクから引っ込むべきだ」という結論に都合がいいように、テキトーなストーリーを書いているに過ぎない。
>誰の利益の為の誰の問題なのか
全世界の問題です。当のイラク国民が「その気」にならなければならないのは事実であるにしても、イラク国民 *だけの* 問題でもない。
それは私が先に書いたように、昔のような鎖国時代と違って世界各国が経済的に互いに依存関係にあり、ある国で発生したイベントや事件が他国に波及して影響をもたらすからです。江戸時代とは訳が違います。
アメリカがイラクで失敗したのは事実。しかし、失敗したから出て行け ? 出ていった後に何が起こるかは知ったことじゃないとでも ? それはまた能天気な。そもそも、アメリカが撤退すればすべて片付くわけではない、という点に同意しておきながらそれをいいますか ?
はっきりいいましょう。現時点で国際社会が「これはイラク人の利益の問題ですから、自分でどうにかしてください」といっていきなり放り出せば、第二のアフガニスタンができて、それこそ平和な世界がテロでグダグダになるでしょうね。それを防ぐには、尻拭いといわれようが何をしようが、国際社会が力を合わせて、現状をいくらかでもマシにするための手を打たなければならない。これこそが本物のリアリズムです。
それとも、アメリカには撤退してもらって、代わりにロシア・中国・イランあたりにどうにかしてもらえとでも ? いやしかし、「イラク人の問題だ」と断言しているのに、それはないでしょうね。
なにもイラクやアフガニスタンに限らない。介入が失敗に終わり、国際社会が見捨てた後のソマリアがどんなことになったか、知らないわけではないでしょう。同じことをイラクでも繰り返せと ?
あるいは、国際社会の介入を当事者が拒んでいるスーダンのダルフールが震源地になって、隣国のチャドや中央アフリカにまで火の粉が降りかかっている例もある。それも「当事者の問題だから、権利がないやつは手を出さずに放置しろ」と ?
ついでだから、日本がイラクに関わると焦土になる過程について、筋道立てて説明していただきたい。焦土になると断言しているのだから、どうしてそうなるか、論拠があってのことでしょう。太平洋戦争で日本の主要都市を焦土にするには 16 万トンの焼夷弾を必要としましたけれど、それだけの攻撃力がどこからどう沸いて出てくるか訊いてみたいですね。
Posted by: 井上 | Dec 9, 2006 11:28:57 PM
ああそれから。
>日本が「対案」を持っていって一体誰が取り上げてくれるのですか?
「泥沼から抜け出したい」といって、一人とっとと逃げ出すような国のいうことなら、それこそ誰も取り上げてくれないでしょうなあ。国際社会で発言力があるのは、自分で実際にアクションを起こしている国だけです。
日本以上にイラクやアフガニスタンと縁がなさそうな東欧諸国から、わざわざ MNF-I や ISAF に部隊を派遣している国があるのはなぜか。そうすることで国際社会におけるプレゼンスを高めて、発言力を高めて、下世話ないい方をすれば「貸し」を作るためです。
>脳髄を犯されて
× : 犯されて
○ : 冒されて
Posted by: 井上 | Dec 9, 2006 11:35:59 PM
もうひとつ。
>権利と能力を持っていない場合、イラクにおける米国が
>まさにそれに当てはまります。
と書いておきながら、
>米国は敗北を自認しイラクから退却するべきでしょう
とはこれいかに。つまり、権力と能力を持っている奴に出て行けと。そしたら誰が事態を収拾するんですか。それとも、「やっぱり、アメリカが出ていけば全部解決します」とでもしますか ?
Posted by: 井上 | Dec 10, 2006 12:20:22 AM
読解力にはそこそこ自信がありましたがそれにしても難解な文章と言うか…
できる限り解釈してみたのですが(いちいち頭が勝手にツッコミを図るので大変でしたが)、どうもアメリカは既に占領統治に失敗しており、失敗したからイラクに対してすべての権利を失っている。よって出て行けと仰っているのではないでしょうか。
でもこう解釈するとテロさえ鎮圧できるならアメリカがどんなえげつない占領統治してもOKということになってしまうし…
それにしてもどれだけ読んでも問題の解決を思考されているようには読めないのですが。
Posted by: flanker | Dec 10, 2006 12:56:17 PM
いや、井上さんちょっとオーバードライブ気味ではないかと。
>権利と能力を持っていない場合、イラクにおける米国が
>まさにそれに当てはまります。
つまり、ここ「だけ」素直に読めば、米国は問題に対応する権利と能力を持っていないと、彼的には主張して居るんじゃないかと、だから井上さんの非難はそこだけは当てはまらないです、ちょっと暴走気味。
だからと言って野原氏が人の事をトンチンカン呼ばわりできるほどわかりやすい文章を書いてるようには思えません。
アメリカはイラクの現状にコミットする権利と能力を持っていないと野原氏は主張(ハイ、ここ読み取り間違えてたらごめんなさいね)しますが、現状、イラクの治安に幾ばくなりと影響力を持つのはアメリカでしょう、能力的にはあるわけで、そのあたりに目を瞑っていらっしゃるのでしょうか、アメリカはすべてを放り出して出て行け、そうすれば自然に収まる、そう主張していらっしゃるとしか思えません、世の中、そんなシンプルかつ気楽に片付けばいいのでしょうが、それで問題が解決するのでしょうか。
で、そう言う問いかけを「対案を出せ攻撃」だの「議論の本質から逃げている」何だの言う(世間一般では非難と言いますが)のは勝手ですが、人はそれを無責任な人だと見る場合があるでしょう。
また、世の中、あなたと同じ事を判断基準にしている訳じゃないんですね、あなたの知らない事何かがその基準になっている可能性は高いですし、あなたがこれは正しいと思っている事をこちらは別の筋から得ている情報で同じような判断は下さないかも知れない、そこが理解出来ない限り、多分、同じ庭にいる事は出来ないんじゃないかな。
Posted by: ooi | Dec 10, 2006 3:31:32 PM
僭越ながら、一言。
野原燐氏の説明によりますと、アメリカは自ら望んでイラクにずっと兵を留めているかのようです。しかし、アメリカとしてはむしろ、イラクなどさっさと放り出してしまいたい、というのが本心ではないでしょうか?イラクが忠義高い親米国家になる見込みも薄いし、米軍の駐留費用はかさむし、米軍兵士の死者は増える一方だし、国内世論は道義的な観点からもイラク駐留を非難し始めている。要するに、ベトナム戦争と同じ状況です。「名誉ある撤退」が可能なら、それに越したことはありません。
問題なのは、イラクにはベトナムで言うところの北ベトナム政府にあたるアクターが存在しない、ということです。イラクに新たな政府が育つ前にアメリカが出て行ってしまったら、イラクを責任を持って統治しようというアクターがいなくなってしまう。テロ組織は、残念ながら国家の統治能力までは持ち合わせていない。独裁者を倒したはいいが、新たに「破綻国家」を作ってしまっては元も子もない。
そこで困ったアメリカとしては、早急にイラク政府とイラク軍を育て、イラク全土の統治と治安維持を任せようとしているわけです。「とりあえず任せた。後はよろしく」ということにしてしまえば、その後イラクで混乱が起きようと、それは「イラク政府のせい」と言い訳ができますからね。
アメリカに「さっさとイラクから出て行け」といえば、確かに出て行くでしょう。しかし、今すぐにアメリカがイラクから出て行くことは、アメリカが無責任にもイラクを放置していくことになります。それは、果たして道義的に許されることでしょうか。かえって、アメリカの無責任を助長することにはなりませんか。
アメリカのイラク侵攻に関する責任を追及するならば、むしろアメリカには、イラクのために尽くさせるべきであると、私は考えます。
Posted by: NISSHA | Dec 11, 2006 12:42:05 AM
>米国は問題に対応する権利と能力を持っていないと、
>彼的には主張して居るんじゃないかと
ところがですねえ。野原氏御本人の日記には、
>>でそのためにはどうすれば良いか。2年前に書いたように、
>>イラク人ライードさんの判断によれば、答えは簡単だ。
>>>事態の解決は,ブッシュ政権とイラク人に任せてください。
(http://d.hatena.ne.jp/noharra/20061209#p1)
とあるんですよ。その発言が正しいと思ったから引用したんでしょうに、その一方で「アメリカは失敗したんだから撤退しろ」とやったら大矛盾です。
Posted by: 井上 | Dec 11, 2006 9:02:09 AM
ああ、やっぱそこまで辿って突っ込んだんですか、多分自分の書き込み中の整合性ぐらいしか取ってねえだろうと思ったのが先のツッコミだったんですが(ナニゲに酷いこと書いてるな、自分。)
まー、たぶん
>>でそのためにはどうすれば良いか。2年前に書いたように、
>>イラク人ライードさんの判断によれば、答えは簡単だ。
>>>事態の解決は,ブッシュ政権とイラク人に任せてください。
(http://d.hatena.ne.jp/noharra/20061209#p1)
のウチ、「イラク人がイラク人に任せろと言った」とまあ、ブッシュ政権の下りをオミットして脳内変換しているんじゃないかと思量。>人の思考を勝手に推測するのはよくないですね?
ま、あの人の中では整合性は取れているのかも知れませんよ、「反米・反権力」というポリシーにさえ沿えば、と言う但し書きが付きますが・・・まさかその中の矛盾は「記述のブレ」とか言って片づけられるのかッ!
すいません、すべりますた。
>余談。
先の発言の内、だから、以降の後半部分をカットしてコピーしてたら私、笑いますけどね、全く持ってお里が知れると。
Posted by: ooi | Dec 11, 2006 9:57:40 AM
お気になさらないでください。私がいちいちソースをちゃんと書かなかったのもいけないので。
野原氏、トラバを頂戴した「孤高」さんにも戦線を広げてしまいました (しかも誤爆してるし)。攻勢終末点を無視してドンドン戦線を広げていくさまは、まるで 60 年前の日本を想起させます。御自身の日記が炎上して「焼け○○」になっちゃっても知りませんよ ?
Posted by: 井上 | Dec 11, 2006 11:26:45 AM
× : 60 年前
○ : 太平洋戦争当時
Posted by: 井上 | Dec 11, 2006 12:32:38 PM
応答がいつも遅れるわりに、語調が高飛車ですみません。
お返事が、日曜日以降になります。すみません。
Posted by: 野原燐 | Dec 14, 2006 7:18:05 AM
「アメリカがイラクに関わる資格はない」「自衛隊を撤収しろ」と繰り返すだけなら、私がすでに書いたことの繰り返しになって無限ループするだけだから、意味ないですよ ? そこのところをしっかり御理解いただいた上でどうぞ。
Posted by: 井上 | Dec 16, 2006 7:00:32 PM
「アメリカがイラクに関わる権利がある」という主張をまだいただいておりません。よろしくお願いします。
井上さん
>脳髄を犯されて
× : 犯されて
○ : 冒されて
指摘いただきありがとう。
さて。
>誰の利益の為の誰の問題なのか
全世界の問題です。
全世界などという主体は存在しません。あなたは何が言いたいのですか?
>>イラク国民だけの問題でもない。
周辺国も困っていますね。
>>はっきりいいましょう。現時点で国際社会が「これはイラク人の利益の問題ですから、自分でどうにかしてください」といっていきなり放り出せば、
「国際社会」とは何ですか? 文脈では、米国とその同調者のことですね。はっきりしてください。
>>それこそ平和な世界がテロでグダグダになるでしょうね。
すでに一定程度そうなっています。「米国がイラクから撤退しなかった」からです。
>>なにもイラクやアフガニスタンに限らない。介入が失敗に終わり、国際社会が見捨てた後のソマリアがどんなことになったか、知らないわけではないでしょう。同じことをイラクでも繰り返せと ?
「同じことをイラクでも繰り返せ」とわたしは主張してないですよ。
「同じことをイラクでも繰り返すな(あるいは)繰り返せ」と叫ぶ権利をわたしは誰から与えられているのか。与えられてない。あなたもそうです。
「その問題について権利と能力を持っていない場合、イラクにおける米国がまさにそれに当てはまります。(野原)」
米軍(及び米国の組織)はいかなる権利を持ってイラクに存在し続けているのですか?
米軍(及び米国の組織)の存在は、いままで*1イラクの治安をより悪化させる事しかできなかった。であるのに、今後の1年間について逆のことをあなたは期待している。その根拠も示さずに。
なぜそんなことができるのか。
それはあなたの脳髄の中で「国際社会」「全世界」というものがアプリオリな善に位置づけられ、イラクという地域は決して主体になりえず、「国際社会」「全世界」が配慮してやるべき客体として位置づけられているからです。
さて、イラクで米国が何が出来るか/できないかについて、私が語る必要があるとは思いません。わたしたちがしなければならないことは、自衛隊によるイラクの米軍支援が
「イラクにおいて行われている国民生活の安定と向上、民主的な手段による統治組織の設立等に向けたイラクの国民による自主的な努力を支援し、及び促進しようとする」に該当するのかどうかである。
イラクでの米軍が失敗しようがしまいが、自衛隊の支援対象は「国民生活の安定と向上、民主的な手段による統治組織の設立等に向けたイラクの国民による自主的な努力」であり、米軍ではない。
あなたのしなければならないことは、まず、観念的な世界平和論を振り回すのではなく、条文からの逸脱という疑問に答えることである。
>日本が「対案」を持っていって一体誰が取り上げてくれるのですか?
の答えは、誰も取り上げてくれない。でよろしいね。
Posted by: 野原燐 | Dec 18, 2006 9:51:34 AM
やれやれ、相変わらずですね。グダグダと御託を並べているけれども、要するに「自衛隊のイラク派遣が気に入らないから引き上げろ」という以上のものではない。主体がどうとか、国際社会の定義だとか、言葉尻に難癖をつけることしかできていない。
あなたは自衛隊ならびに MNF-I の撤収しか叫ばないけれども、それで問題を解決できると考えているのかどうか、私はそれを問い続けている。ところが、それに対するあなたの回答は「語る必要はない」という *逃避* でしかない。そう書くしかないんですよ。あなたは「MNF-I と自衛隊を引き上げろ」という以上のことは何も考えていないのですから。
私の問に答えられるだけの識見も情報も持ち合わせておらず、MNF-I や自衛隊派遣に批判的な言説を集めることにばかり汲々としているのでは、真正面から議論できないから「書く必要がない」と切り捨てるしかないでしょうね。
根拠云々についてはとりあえず、国連安保理決議 1511 を 100 万回読み直してからどうぞ。この決議では、経緯はともかくとして CPA の立場を確認した上で、国連加盟国 (私がいうところの国際社会と同義と考えてよろしい) に対して、イラク再建のための支援を行うよう求めている。
イラクが主体的に自国を統治できるようにするには、単に「おまえが主体だから自力でやれ」と放り出すのではなく、さしのべられる手を持っている人が手をさしのべなければならない。治安維持部隊の育成に関して直接の関与ができない国でも、後方支援などの形でそれを支えることはできる。空自のイラク派遣はそれです。
それに、以前にも書いたように、世界のどこかで問題が発生した際に平和維持部隊などを出す国があるのは、国際社会に対する発言力やプレゼンスの確保、そして「貸し」を作るためという事情がある。それは日本についても同様にあてはまる。それに対してあなたは何も反論しない。できないでしょうからね。
MNF-I の政策失敗で治安を悪化させる結果になったことと、法的な権利の有無をリンケージさせているのは屁理屈もいいところです。それは、「日本で犯罪が増えて治安が悪化しているから、日本の警察に犯罪を取り締まる資格はない」といっているのと同じです。現状がいかにダメダメだろうが、イラクが自前の治安維持能力を持たなければ、最終的な解決は実現しない。あなたも「イラク人の手で解決」といっているではありませんか。そこに至るまでの道筋については、だいぶ見方が違うようですがね。
私は「イラク自身の治安部隊の育成が必要だ」と言い続けている。組織だけ作れば治安維持ができるわけではなくて、しかるべきノウハウを持った誰かが、しかるべき訓練を施さなければ治安維持組織はできない。現状、それができるのは MNF-I しかないからこそ、MNF-I の手でイラク治安部隊の育成を進めて、しかる後に手を引くのが最善だということです。
それとも、他の誰かがやってくれますか ? やってくれると主張するなら、それが誰かを明示していただきたい。あるいは、MNF-I がイラクから即時撤収した時点でイラク治安部隊がマトモに機能すると主張するなら、その根拠について。きっと「その必要はない、とにかく出て行け、根拠がない」と書くしかないでしょうがね。
そして、もしもイラクが自前の治安部隊確保に失敗すれば、無政府状態と化す可能性が出てくる。かつてのアフガニスタンのように、テロ組織は往々にしてそういう場所を聖域にするものであり、それこそが私が書いた「平和な世界がテロでグダグダに」ということ。あなたは MNF-I の存在そのものが世界にテロを生んでいるかのような言説を垂れ流しているけれども、実際問題、イラク以外の場所で MNF-I の存在と確実にリンクして発生したテロ事件がどれぐらいありましたか ?
イラク以外でも、それぞれの国家が自力でテロ対策を講じられるようにということで、たとえば TSCTI みたいな構想が進められている。そんなニュースは御存じないでしょうけれど。
>の答えは、誰も取り上げてくれない。でよろしいね。
私は「(あなたが主張するように) とっとと逃げ出すような国のいうことなら、誰も聞かないだろう」と書きましたが、何か ? カナダの先生並みに読解力が怪しいですね。
あと、こちらにも目を通しておいた方がよろしいかと思いますよ。コメントすることまでは求めませんが。
http://d.hatena.ne.jp/settu/20061217
Posted by: 井上 | Dec 18, 2006 10:37:26 AM
ああそれから。
自分が気に入らない行為を支持する人のことを「ばか」呼ばわりするような御仁は、多数の支持は得られないと思いますよ。老婆心ながら。
Posted by: 井上 | Dec 18, 2006 10:42:32 AM
おおっと、大事な話をひとつ忘れていた。
「自衛隊がイラクから撤収しないと日本が焦土になる」のはなぜですか。私はずいぶんと考えたけれど分かりませんでした。ここはひとつ、言い出しっぺにきちんと説明していただきたく。
Posted by: 井上 | Dec 18, 2006 10:51:26 AM
>Posted by: 野原燐 | Dec 18, 2006 9:51:34 AM
野原さん、『リアリズム』とやらについて何らかの釈明を求めます。
http://obiekt.seesaa.net/article/29501363.html
野原さんの言うリアリズムとは、現実を無視しています。
Posted by: JSF | Dec 18, 2006 6:55:14 PM
http://d.hatena.ne.jp/noharra/20061129#p2
>イラク人は誰も陸自の復興支援に感謝していない。
>「大多数の住民が陸自の復興支援に感謝している」
>というのはソースのない、産経新聞がそうであって
>欲しいと望んでいる虚像にすぎない。
野原さん、ちょっとその認識は問題外です。・・・それではソースを差し上げますね。
■陸自のサマワ駐留、住民の7割が評価 現地世論調査
http://www2.asahi.com/special/iraq/TKY200608300426.html
ソース元は朝日新聞です。
Posted by: JSF | Dec 18, 2006 7:07:17 PM
それじゃ私も。
(12/2)イラク外相、日本に協力継続を要請
http://www.nikkei.co.jp/sp1/nt57/20061202AT2M0103702122006.html
ソースは *産経じゃなくて* 日経です。
そもそも、繰り返しになりますけれど。
・12/9 付の御自身の日記では、イラク人の「事態の解決は,ブッシュ政権とイラク人に任せてください」という発言を引用 (ウェブ魚拓は確保済み)
・さらに、せっつさんのところでは「『アメリカが撤退すればすべては解決する』のかどうか ? という問いに対する答えは『否』であらざるをえない」と発言
その一方で、「根拠がないからアメリカは出て行け」という時点で支離滅裂ですよ ?
Posted by: 井上 | Dec 18, 2006 7:42:17 PM
一点だけ。
・さらに、せっつさんのところでは「『アメリカが撤退すればすべては解決する』のかどうか ? という問いに対する答えは『否』であらざるをえない」と発言
その一方で、「根拠がないからアメリカは出て行け」という時点で支離滅裂ですよ ?(井上)
やれやれ。これが支離滅裂とはどういう頭脳だろう!
『アメリカが撤退すればすべては解決する』のかどうか ? という問いに対する答えは『否』。
あたりまえでしょう。アメリカが撤退したってすでに死んだ人が帰ってくるわけじゃなしすべてが解決することなどあるわけがない。
井上さんの場合も『アメリカが撤退しなければすべては解決する』のかどうか ? という問いに対する答えは『否』。じゃないの?
議論をするなら論理的にお願いします。
Posted by: 野原燐 | Dec 18, 2006 8:31:00 PM
待ってくれ、治安を悪化させているのはテロリストではないのか?
Posted by: 遊び人(ネタ係 | Dec 18, 2006 8:37:06 PM
あなたは現に、「ブッシュ政権とイラク人に任せてください」という発言を御自身の日記に引用している。この発言に反対だという意味で引用しているようには見えませんが ?
あなたがこの発言に反対だというのであれば、件のイラク人は日本まで来て余計な発言をしやがって、とあなたが考えていることになりますが、それで正しいですか ?
後者についていえば、「撤退による解決 = 否」であれば、解決のためには撤退はまかりならぬ、ちゃんとケツを拭けということになる。仮にすべて解決できないのだとしても、部分的にでも解決できるのなら、いた方がいいということになる。
ところがあなたは、アメリカがイラクに関与する根拠がないと主張する。アメリカが撤退しても解決しないけれども、アメリカはイラクにいてはならないといっているのですよ ? どこが論理的ですか。
それから、焦土の件はどうなんですか。説明できずに逃げますか ?
Posted by: 井上 | Dec 18, 2006 8:42:36 PM
>遊び人 さん
少なくとも私は、テロリストが自由に活動できる環境を作ってしまう方が、よほど「悪への加担」だと思うのですけれどねぇ。テロリストに、自由に活動できる聖域なんぞ与えてはならんのです。
もっとも、野原氏にかかると「MNF-I がいるからテロリストを呼び込んだんだ、MNF-I の存在が災厄を呼んでいる」とかなんとか主張しそうですが。でも、アメリカがいないのにテロリストが陣取ってしまっている国は幾つもありますよ。
とりあえず野原氏は、Jane’s Defence Weekly と Jane’s Intelligence Review を、過去 10 年分ぐらい読んだ方がいいんじゃないかと。
Posted by: 井上 | Dec 18, 2006 9:12:02 PM
ちょっと支援射撃をば。
>『アメリカが撤退すればすべては解決する』のかどうか ?
>『アメリカが撤退しなければすべては解決する』のかどうか ?
答えは両方とも『否』でしょうけれども、このような極論の提示は論理的ではないと思いますよ。白か黒かで語れることはオセロくらいなものです。
ご本人も『あたりまえか』と仰っていますので、建設的ではないとはお判りなんでしょうけれども(つまり皮肉なんでしょうね)。
野原氏へ、ごくごく抽象的な質問ですが、今すぐ米軍が撤退してイラクの内戦状態を放置することと、駐留を続けることで米軍主導の準安定状態を維持させることと、どちらがイラクの人々の物的、人的損耗が少ないと思いますか?
井上氏が丁寧に軍事ニュース欄でイラク事情をまとめてくださっていますので、ご参考にご覧ください。
ああ、JDW、JIRも読んで頂けると尚いいですね^^
また、イラク戦争を引き起こしたのは米国であり、混乱を招いたのも米国であるとして、当事者たる米国にはイラク関与への『権利』ではなくて『責任』があるとは思いませんか?
あぁ、少し大胆になってしまいました。申し訳ありません(笑)>井上氏
Posted by: トンデモ騎士 | Dec 18, 2006 9:19:54 PM
どうも話が通じませんね。
>>>『アメリカが撤退すればすべては解決する』のかどうか ? という問いに対する答えは『否』。
という命題を井上氏は、あたりまえだとは思わず、撤退についての何らかの思想の表明と受け取った。どういう頭脳だろう!さて
続き(1)
>>>全世界の問題です。(井上)
○○ 全世界などという主体は存在しません。あなたは何が言いたいのですか?(野原)
>>言葉尻に難癖をつけることしかできていない。(井上)
真面目に議論してください。
「全世界の問題です。」という断言がどういう意味なのかあなたは説明する義務があります。
(2)
>>ところが、それに対するあなたの回答は「語る必要はない」という *逃避* でしかない。そ
それが「逃避」に見えるのは、全世界なんていうばかげた主体の存在するあなたの脳髄の中に過ぎない。
(3)
>>「日本で犯罪が増えて治安が悪化しているから、日本の警察に犯罪を取り締まる資格はない」といっているのと同じです。
統治主体は不変だという前提の上での判断ですね。撤退という選択肢は井上氏の脳髄の中にはないのですね?
(4)
>>私は「イラク自身の治安部隊の育成が必要だ」と言い続けている。
なぜいままで成功しなかったのかも検証は一切せずにね。
(5)
>>の答えは、誰も取り上げてくれない。でよろしいね。
井上さんの応答は答えになっていないですよ。
わたしはあなたの議論が成立する前提がどういうものなのかについてだけ、議論したいのです。
Posted by: 野原燐 | Dec 18, 2006 9:51:05 PM
全世界 (the whole world という意味ですけど) 云々については、画面を上の方にスクロールすればちゃんと書いてありますが、あなたの Web ブラウザ画面にはスクロールバーがついていませんか ?
イラク治安部隊の育成がうまくいっていないのなら、その原因を調べて対策をとるのが正しい対応策。「イラク自身の治安部隊育成が必要」という私の主張については否定的なようですけれど、それなら、イラクの治安を他の誰かに任せろというのですか ? 具体的には誰に ? 何もしないのが解決だとかいわないでしょうな ?
最後に (5) については、答えになっていないという答えが答えになっていないですよ。私の見解は明快であり、「自分だけとっととイラク問題から逃げ出すような国のいうことは誰も聞かない」。いいかえれば、この件にコミットすることで日本のプレゼンスや発言力が増すということ。世界政治の力学ってのは、そういうものです。
なんて書くと、今度は「世界政治とは云々」とやられそうですけれどね。
そもそも一連のやりとりは、「アメリカがイラクでやらかしたしくじりをどう解決するか」という件に言及した「摂津堂」のエントリから始まっている。だから、このことこそが議論の前提なのに、「どう解決するか」については言及しないで「アメリカの駐留根拠」だの「悪への荷担」だのといった台詞を壊れたレコードのように繰り返し、さらには「自衛隊を撤収しないと日本が焦土になる」なんて珍説を唱えているあなたこそ、議論が成立する前提を破壊しています。 over。
Posted by: 井上 | Dec 18, 2006 10:12:12 PM
1>>>『アメリカが撤退すればすべては解決する』のかどうか ? という問いに対する答えは『否』。
???その前に「自衛隊は米国の後方支援を辞めるべきだ」ってやってなかった?
2>>ところが、それに対するあなたの回答は「語る必要はない」という *逃避* でしかない。
俺は超能力者じゃないので語らなかったことに対しては推量までしかできません。
3>>(略)
日本の警察がどこに撤退するのか。米軍がイラクからただで撤退させて貰えるのか。そこの所をよろしく。
4>>私は「イラク自身の治安部隊の育成が必要だ」と言い続けている。
こら何年も育成を続けなきゃどうにもならんよな。ガンスリの福祉公社じゃあるまいし、イラクの治安部隊が街で見かけたテロリストを片っ端から殺して回るってわけにはいくまいよ。(そして街のテロリストを殺して回って治安が良くなるって言えるのかはビミョー)
5>>の答えは、誰も取り上げてくれない。でよろしいね。
ヒズボラとイスラエルが争う直前辺りに小泉首相(当時)が「平和と繁栄の回廊」構想を出してた気がするが、誰も取り上げないなんて事があったのか?(確かに俺もうるおぼえだ)
場当たり的なやりとりで遊びたいんだったら、相手選ばなきゃ遊べないにょ。
Posted by: 遊び人(ネタ係 | Dec 18, 2006 10:32:08 PM
素早い訂正ありがとうございます、野原さん。
http://d.hatena.ne.jp/noharra/20061129#p3
付きましては貴方の仰る『リアリズム』についてこちらで語って欲しいのですが。
http://obiekt.seesaa.net/article/29501363.html
>日本本土を焦土と化す為には核攻撃くらいしか手段がありません。
>今の時代だと通常兵器ではまず不可能です。
Posted by: JSF | Dec 18, 2006 10:40:23 PM
んー、野原さんの言いたいことはこういうことじゃないですかね?どうも筋道立てて説明してくださらないので、彼の意見に対する僕の理解。「米軍が撤退してもイラク国内の宗派対立は収まらぬ、内戦状態になるのも確かだろう、しかし米軍が駐留を続けた場合も内戦状態であるのに違いはない。イラク人による治安維持組織の育成も事実上失敗に終わっており、ようするに何をしても手遅れだ」「米軍に自分のケツを拭かせる為に駐留させたとしても、それによって得られる治安維持機能や治安維持組織の育成機能よりも米軍の駐留によって生産される不正と災厄のほうがデカいんだ」と。で、「そういうイラクに自衛隊を送り込んでもイラク人の役には立たん、歴史に汚点を残さんうちにはよ撤退させぃ」ということかと。かなり推測で補いましたが、これでよろしいですか、野原さん?
あと摂津堂さんのところで最初に書かれていた「不正と災厄」について具体的に説明お願いします。よく分からなかったもので。米軍が撤退したらイラクは分裂さえ起こしそうなものですが、それに伴う混乱を考えたらそれを超える「不正と災厄」とは一体なんでしょうかね?あぁ分かった!野原さんが恐れているのは米軍がイラクを平定することだ!でもってあめりかがじしんをとりもどしてあめりかていこくしゅぎとやらにはしって、せかいじゅうにしんりゃくせんそうをしかけはじめるんだ!それでぼうえきまさつでめをつけられたにほんがしょうどになるんだよ!やった!ようやくろじっくがつながったよ!
失礼、最後の最後で取り乱しました。確信犯的に。
Posted by: 出雲 | Dec 18, 2006 11:19:41 PM
そもそも、私は当初に、*野原氏個人に対して*「イラク問題の解決についてどう考えるか」と問うていたのに、それを野原氏が途中から「*日本が* イラク問題について発言しても誰も聞いてくれない」という話にすり変えちゃったんですよねぇ。一応、念のために指摘しときますけど。
Posted by: 井上 | Dec 18, 2006 11:47:21 PM
あ、間違ってました。摂津堂さんのところで
(1A)アメリカ軍の駐留なしのイラクはより多くの不正と災厄にみまわれることになろう。
を明確に否定されていますね。勘違いすみません
Posted by: 出雲 | Dec 19, 2006 7:17:20 AM
とはいえ、野原氏が「アメリカ引っ込め」「自衛隊派遣反対」と叫ぶことで「俺って正義の味方 !」と自己満足しているだけなのは、ほぼ間違いのないところでしょう。これまでのやりとりからして、御自身がこの件の解決について、何か具体的な考えがおありというわけではなさそうですし (出し惜しみするようなもんじゃなし、あれば聞かせてもらえているはず)。
で、私がそれに噛みついたもんですから「井上憎し」とばかりに突っ込めそうなポイントを探しては場当たり式に噛みついて、勝ったつもりになっているのではないかと (だから、毎回のように発言のポイントがコロコロ変わる)。他人の意見にケチを付けるだけでは、ガキの喧嘩と同じです。
で、どうして自衛隊の派遣を続けると日本が焦土になるんでしょうか。わかりません ! ><
Posted by: 井上 | Dec 19, 2006 9:53:15 AM
>で、どうして自衛隊の派遣を続けると日本が焦土になるんでしょうか。わかりません ! ><
少なくとも野原氏のBlogは炎上しますかね?(ヲ
それはともかく、「表現方法に明らかな問題がある」とストレートに摂津堂他で指摘されたのに、それに対する回答をスルーしてひたすら自分の意見を主張するのはどうかと思いました。>野原氏(なるほど、それでコメント欄を焦土と化す作戦だなッ!
Posted by: ooi | Dec 19, 2006 1:09:22 PM
すでに、御本人自ら「野原燐炎上中 ?」と書いておられます。
http://d.hatena.ne.jp/noharra/20061218/
Posted by: 井上 | Dec 19, 2006 2:20:16 PM
改めて、野原さんの言いたいことを推測。だって野原さん意見を順序だてて纏めて下さらないから。
まずは今後のイラク情勢:「米軍が撤退してもイラク国内の宗派対立は収まらぬ、内戦状態も継続するだろう、しかし米軍が駐留を続けた場合事態は更に悪化の一途を辿るが、米軍が撤退すれば「全てが解決される」ことはなくても、事態は好転少なくとも現状維持はされるだろう」
これは摂津堂さんの所で
>>(1A)アメリカ軍の駐留なしのイラクはより多くの不正と災厄にみまわれることになろう。
という意見を否定されていること、及び、撤退による全解決を否定されていることから。
米軍が育成を進めるイラク人による治安維持組織については「悪化の一途を辿る情勢を見る限り、イラク人による治安維持組織も治安回復に有効な手段ではない。」で、野原さんはイラク人治安維持組織は役立たずで、米軍は役立たずの上に「不正と害悪」をイラクにもたらす、とバッサリ切り捨てた上で治安回復の為に役立つ代案を提示しないことから推測するに、イラクはもう「何をしても手遅れだ」という認識なのかも。だから米軍が出ていって「害悪」をこれ以上垂れ流さなくなれば、イラクは主体的に復興を遂げられると。(ホンマかい?)
で、自衛隊については「イラクに害悪をもたらす存在である米軍をサポートさせる為に自衛隊を送り込んでもイラク人の役には立たないのだから早く撤退させろ」ということかと。手直しを加えてみましたが、これでよろしいですか、野原さん?
あと摂津堂さんのところで最初に書かれていた「不正と災厄」について具体的に説明を重ねてお願いします。ここを明らかにしておかないと、そもそも議論が成り立ちませんから。
私が思うに、米軍はイラクに「不正と害悪」をもたらす存在かどうか、そしてその「不正と害悪」とやらが米軍駐留のメリット(治安維持機能、治安維持組織育成機能)に勝つのかどうかを明らかにする必要があると思うのですが、どうでしょう?
Posted by: 出雲 | Dec 19, 2006 4:49:32 PM
申し訳ございません、訂正します。野原さんの主張を纏めた上のエントリにおいて「イラク人による治安維持組織も治安回復に有効な手段ではない。」と野原さんは判断していると書きましたが、私の事実誤認でした。確かに見た気がするのですが、ソースとして掲げられるページが無い以上、私の勘違いだったのだと思います。
恐らく、
>>米軍(及び米国の組織)の存在は、いままで*2イラクの治安をより悪化させる事しかできなかった。
の「米国の組織」のくだりを読み違えたものと思います。
野原さんの主張を歪曲して他人に伝播させる結果となってしまったことを改めてお詫び申し上げます。
Posted by: 出雲 | Dec 20, 2006 2:35:36 PM