ベスト5

世捨人noharraのところに、 Musical Batonなるものがきた。id:amgunさんところから。世捨人ほどこういうものは喜ぶもの、である。

ただ音楽ってもう長い間あんまり聞いてない・・・

1.Total volume of music files on my computer (コンピュータに入ってる音楽ファイルの容量)

なし、といいたいところだがそうでもない。71メガ。鬣、など。

4.Five songs(tunes) I listen to a lot, or that mean a lot to me (よく聞く、または特別な思い入れのある 5 曲)

現在形でよく聞く曲はなし。

・日本のpops(というか)といえば何といっても、はっぴえんど。

ここでは、大滝詠一作詞作曲の「夢で逢えたら」を挙げる。

思ひつつ ぬればや人の 見えつらむ 夢としりせば さめざらましを(小野小町)

http://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/sennin/komati.html

王朝美学の突然変異的復興、ともいえましょう。

・オーネット・コールマン「ロンリーウーマン」

倉橋由美子の小説に荒神橋のシャンクレールでこの曲を聴くシーンが出てくる。がそんなこととは関係なく、名曲である。

・元ちとせ「ワダツミの木」

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005ULFS/250-1569126-3448225

http://otd9.jbbs.livedoor.jp/908725/bbs_plain?base=95&range=1(野原)

・ジミ・ヘンドリックス、この曲というのは思いつかない。長い間聞いていないから。下記で確認するとデビューLPは『アー・ユー・エクスペリエンスド(1967年)』だがいま探してみたが見つからず。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%9F%E3%83%BB%E3%83%98%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9

・水玉消防団『乙女の祈りはダッダッダッ!』

わたしは水玉消防団のファンクラブ員だった。消防団解散後だいぶ経ってカムラはロンドンへ行って、ホーキ・カズコの相方(フランクチキンズ)をやってると聞いたが、今は一緒じゃないらしい。最近カズコの『ロンドン快快』という講談社文庫を読んで(カムラのことは2,3行でてくるだけだが)、カズコたちに対して同窓会的懐かしさを感じてしまった。(もちろん一方的なものだが)

バトンの続き(6/18記)

2.Song playing right now (今聞いている曲)

なし。

3.The last CD I bought (最後に買った CD)

マーケットで315円だったので、ベートーベンヴァイオリンソナタ「春・クロイツェル」ロイヤルフィルハーモニー管弦楽団というのを買った。

去年はダイソーで百円の浪花節のCDを沢山買った。女流浪花節(其の六)三門柳はなんと「乃木将軍」で靖国神社が出てくる。息子を戦争で亡くした田舎の老婆がひとを戦争に駆り立てる将軍なる者への恨み辛みを(目の前にいるのが乃木だと気付かず)述べ立てると乃木将軍は自分が糾弾されているのに一言も弁解せずかえってお祖母さんに同情する、という話。現在の靖国の方がずっと偉そうにしてるのはいったいどういうわけだろう。

5.Five people to whom I’m passing the baton (バトンを渡す 5 名)

id:dempax さん

id:index_home さん

(なんだかルールもよく分かっていないのにすみません、無視してもらってもいいですよ)

あとはまた考えよう。

追記

水玉消防団の上記レコードを数年ぶりにA面だけ聞いてみた。良かった。カムラのベースなどのリズムが重層的野性的で。上記は1981年の制作。概要は次の通り。CDにもなってるんだ。「ピーターパンにはなれない」が良かった。 

http://home.att.ne.jp/alpha/voice-arrow/mztama.html

2002/11/23の時点では、ヴォーカルの天鼓が水玉消防団21なんてユニットを組んでライブもやっているらしい。

http://www.geocities.co.jp/MusicStar-Drum/1400/sound/live_021123.html

http://www.asahi-net.or.jp/~uh5a-kbys/discj/mizutama.htm 水玉消防団/満天に赤い花びら

amgunさん。バトン回してくれてありがとう。

水玉消防団は「ギャルバンの走り」などとも言われるらしいけど、メンバーの半数が30を過ぎて初めて楽器を手にしたという、驚異のオバサン(失礼!)パンクバンドでした。その傾向性(フェミニズム)の濃さにもかかわらずサウンド重視の男の子にも一目置かれていたように思います。

(霊の真柱やっと読了)

倉橋とか

chimadc 『倉橋由美子の小説確か「聖少女」でしたっけ?あれ以外にもかなりそういうの多かった時期あったような気がいまします。水玉、ホーキ含めて、合掌』 (2005/06/22 06:34)

noharra 『久しぶり!そんな言い方したら、カズコさんか誰か不幸にあったみたいじゃないですか。べつにそんなニュースないよね? わたしは「聖少女」読んでないような気がする。lonly womenがでてくるのは二人称小説「暗い旅」だったはず。それ以外にもでてくるけど。倉橋って身も蓋もないところが、chimadcさんに似てる・・・』 (2005/06/22 20:34)

# chimadc 『合掌、って最高のリスペクトを示す、という意味の言葉なのかと思ってました。存命逝去に関わらず皆法外に偉大な先達です。「暗い旅」は、確かあれも「婚約者に蒸発されて逃げられる女子」もの、でしたっけ?あれ「聖少女」の下敷きみたいですね。倉橋由美子の初期のものは大概好きでしたが、似てると言われたのははじめてです。noharraさんのところの音楽バトンが面白かったので一筆落としたくなった次第』 (2005/06/23 07:13)

(野原)

「合掌」という言葉は中島らもが流行らせた言葉じゃないかと思うんですが、使用法はちゃんとはよく分からない。「最高のリスペクト」の意と知り安心しました。水玉消防団知ってます?それは嬉しいですね。かなりマイナーですから。天鼓よりはずっと聞きやすいけど。

倉橋でわたしが似てる、と思ったのは例えば次のようなところ。

それからQはわたしをバーに誘って、そこで自分の家族のことを語り始めました。わたしにはなによりも興味のもてない話でした。男の子って、求婚の序奏に家庭とりわけ母のモティーフをかなでることが好きなんですね。その次に将来の家庭の設計をやってみせ、そこに母のかわりに未来の妻を入れてみる、そうして娘の手を握りしめるというわけね。

「蠍たち」倉橋由美子

こんな風に書いてしまったら、小説なんて書けないんじゃないか、身も蓋もない! みたいに感じました。フェミ風フロイディズムなんて今では凡庸ですが、彼女は四〇年前に独力で到達したわけで、その観念の筋肉むきむきみたいな感じが面白い。一般に評価される直前の生硬な倉橋ですね。で、chimadcさんはまた全然違うのですが、怖いほどリアルだし、でも「身も蓋もない」みたいなところだけは似てるかな、とちょっと思いました。

八木秀次を叩け

事情をよく知らないのですがチョンボがあった様子。

河野美代子さんからのメールの写し。

広島から河野です。

私の裁判に、どうしても必要で、昨日、本屋さんに「新、国民の油断」を買いに行きました。私を中傷した文にこの本からの引用があったので、必要だったのです。彼らの本を買うのはとてもいやなのですが。

あの、パンツをおろした人形の写真や、数々のうそ、でっち上げが書いてある本です。それから、女性学やジェンダーの学者さんや、性教育の実践家、総動員で個人名をあげて批判というか、中傷満載ですね。

著者は西尾幹二とあの、テレビの八木秀二です。

>

ところが、どの本屋さんに行っても本がありません。店員さんが、「おかしいな、ここにあるはずなのに」と、どこの本屋さんでもです。

そして、広島でもとっても大きな本屋さんで、丁寧に調べてくれた店員さんによると、

「出版社から回収の指示があったので、もう、在庫はおいてありません。」ということでした。もっと詳しく尋ねて、調べてくれたところによると、何か不具合があって回収、もし、あったとしても、販売をしないようにと。

それは、一昨日の夕方の連絡だったそうです。

>

そして、その不具合を直して、八月ごろにまた出版するかもしれない、ということでした。たぶん、私の考えでは、肖像権の侵害とか、そういうものだと思うのですが、でも、そこだけ削ってまた出版されたのではなんのもことやらです。私は、名指しされた人の反論や、明らかな嘘については、出版社にも当事者は抗議した方がいいと思います

今がチャンス。私は、早速、これらの根拠になっているこの本は、回収になっている、と使わせてもらいます。

小学校低学年から、コンドームの装着の実践をしている、なんて、いったい、どこの学校で?小学校の低学年では、まだコンドームがつけれる様なペニスではなく、とても無理なはず。誰が考えてもおかしな嘘満載の本です。

>     河野美代子

このメール転載可です。広めてください。

続報

poppo-x 『http://www.asahi.com/life/update/0617/005.html

「新・国民の油断」回収に 過激な性教育批判で話題の本

2005年06月17日19時23分

 「ジェンダーフリー」や「過激な性教育」を批判した本「新・国民の油断」(西尾幹二、八木秀次著)の記述内容に問題があったことがわかり、出版元のPHP研究所が回収を始めた。

 同社によると、HIVや性教育に詳しい岩室紳也医師の写真が本人に無断で掲載されたほか、岩室氏にかかわる記述に誤解を招きかねない点があったことなどがわかり、今月上旬に回収を始めたという。同社は、修正の上、8月中旬をめどに再度出版するとしている。

 岩室氏は「書き方に問題があり、肖像権も侵害された。大変迷惑しており、抗議した」と話している。

 この本は1月の出版後、約1万3000部を発行。「過激な性教育」や「ジェンダーフリー」を批判的に取り上げた自民党のシンポジウムなどで引用されている。』(2005/06/18 19:33)

正確な情報ありがとうございました。

あなたが存ればよい。

五倫は惟(た)だ夫婦に在り。此の夫婦は男女にして一人なり。(略)此が自然の五倫なり。(略)然るに、聖人、私の制法を以て君臣、父子、夫婦、兄弟、朋友の五倫を立て、推して上に立てて君臣と為し、自然の五倫を盗んで自然の直耕を貪り食う。

(安藤昌益『統道真伝』)

『ブックガイド日本の思想』p52から孫引き。

今日ではむしろ、恋愛=欲望=消費主義やマイホーム=マンション購入主義への批判を先行させなければいけないかもしれない。一方、靖国をはじめとする国家主義は君臣、父子、兄弟、朋友の関係を(わたし=たちに先立つ)倫理として定立していこうとしている。

安藤昌益について何も知らないのだが、「五倫は惟(た)だ夫婦に在り。」という思い切った断言は興味深い。

(このテーマについてわたしを支配しているイメージは、先日も書いたとおり、戦後60年戦死した恋人の腐らない屍体を小舟に乗せて彷徨っている<元ちとせ>、にあります。「靖国がいらない」とはこういうことだ。http://otd9.jbbs.livedoor.jp/908725/bbs_plain?base=95&range=1

小学教科書への疑問

子どもはちょうど、小学6年の社会科教科書で日本史を勉強しているみたいだ。*1子どもに聞くと習ったはずの大化の改新も知らないで困ったものだ。ある頁を開けると、2頁見開き一杯に平城京碁盤の目状の都市の鳥瞰図がありむちゃくちゃ立派だ。人口が十万。ちょっと多すぎるような気がしてぐぐると、ある人(寺崎保広教授)の意見は、「5~6万ほど」「10万人説は居住可能な免責に隈無く人が住んでいたという前提での計算である点が問題で」とあった。http://www.nara-u.ac.jp/daigaku/koho/mini/terasaki.html奈良大学

わたしが気になったのは聖徳太子のところ。

ゆうたさんは、大和朝廷の役人に十七条の憲法を示した、聖徳太子を調べることにした。

として1頁全部を使って聖徳太子を紹介している。次の頁が大化改新であるが、「聖徳太子がつくろうとした天皇を中心とする政治のしくみが、ここでできたのだな。」とゴシックでまとめられている。

上の子の中学の教科書*2を見ると

17条憲法を定めて役人の心がまえを示したといわれています。

とちょっと遠慮がちである。

それもそのはず、

近代史学の対象となりうる太子関連の第一次資料は皆無に等しく第二次資料としての『日本書紀』の記述が残存しているだけであった。あとは「天寿国繍帳」の銘文ぐらいしかない。

p4佐藤正英『聖徳太子の仏法』isbn:4061497227

という情況だからである。

佐藤氏は「太子非実在論」はますます激しくなるだろうと、(彼にとって)悲観的な予想を述べている。ではなぜ、小学校の教科書だけがこんなに力をこめて聖徳太子を記述するのだろうか。それはたぶん学習指導要領が命じて居るためだ。

 仏教伝来の後、聖徳太子が法隆寺を建て仏教を日本に定着させた、とだいたいそう教えられてきた。

しかしそれは6世紀終~7世紀初の思想状況に対する正確な理解ではない。

釈迦仏を祀るとは、ひとびとにとって、見知らない新たな<たま>神を祀ることにほかならなかった。(p42同上)

お握りにライスバーガーとラベルをはっただけみたいな漢字で、「仏(ほとけ)がみ」というラベルの神がやってきたにすぎない。

以上わたしの乏しい知識においても、小学校教科書は充分偏向しているように思われた。

参考:

http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/2663/shotoku/iesu.htm 以下(大山誠一『<聖徳太子>の誕生』を批判する立場の文章)

http://homepage1.nifty.com/sawarabi/shoutokutaishi.htm 「聖徳太子」はいなかった

*1:見たのは大阪書籍のもの。

*2:大阪書籍