靖国神社参拝反対

「(内閣総理大臣就任後は)日本のために犠牲になった人のために参拝する。」と小泉氏は言ったそうだ。だが何度も言うが、例え戦争を始めたとしてももう少し合理的に戦い、どうしようもなくなったら降伏するという方法もあった。そうすれば死ななくて済んだ人はたくさん居たのだ。彼らは「日本のために犠牲になった」わけでは必ずしもなく当時の支配者の、市民の犠牲より大事な物があるという思想の犠牲である、ことは明らかである。

 特にA級戦犯合祀後の靖国を参拝することは、「国家がわたしたち市民に対して責任を負っていない」ことの宣言であり、絶対許すことはできない。

わが国固有の伝統文化とは何なんだ?

あるブログから勝手に孫引きしますが、毎日新聞だそうです。

衆院憲法調査会:最終報告書 改憲の説得力乏しく

 過去5年間にわたる議論を集約した衆院憲法調査会(中山太郎会長)の最終報告書が15日、決定した。多数意見に該当したテーマは「現状維持」を含め計29点に上る。焦点の9条に限らず、新しい人権や地方自治など幅広い分野に及んでおり、

(中略)

 しかし、29点のうち現行憲法で明確に対応不可能なのは「わが国固有の歴史、伝統、文化を明記すべきだ」など前文関連の2点や「憲法裁判所の設置」などごく一部。(毎日新聞)

 最近改憲に賛成の方も読みにきているみたいですが、お聞きしたいです。わたしが心配している「生きて俘虜の辱めを受けず」という奴隷道徳の受肉と、「わが国固有の歴史伝統文化」は全く違うものなのでしょうか?戦後史の何時何処でその切断はなされたのでしょうか?答えていただきたいものです。

ところで「我が国に非固有の歴史」なんてものがあるのかね。どこの国にも通用する歴史法則(マルクス主義とか)への反発を表現したいのだろうが、固有だ固有だと言いつのるばかりでは無理性の泥沼に陥る危険性もあるだろう。

今日は飲んでいるので

http://d.hatena.ne.jp/kamisamasedori/20050415#p1

楚狂接輿。歌而過孔子曰。鳳兮鳳兮。何徳之衰。往者不可諌。來者猶可追。已而已而。今之從政者殆而。孔子下欲與之言。趨而辟之。不得與之言

上記ブログで上のような引用があった。白川静先生の好きな微子第十八 ですね。岩波文庫p366。でまあ彼kamisamasedoriは、左翼が機会に乗じて靖国反対とかいうのがいかがなものか、と言っているようだ。ただ私から見れば、接輿から最も遠いのが靖国であり、儒教の<天>を裏切った非普遍性であるから、靖国はどちらからも馬鹿にされるしかない、のだが。

卒業式への警察出動記録

今春の都立高校卒業式における警察の出動記録

「日の丸・君が代」強制に反対する市民運動ネットワークからのメールより。

◆卒業式に関わる「110番処理簿」について一覧表

日付 区市 入電事案名 処理事案名

1/24 世田谷 その他の苦情 その他の苦情

2/2 目黒 連絡 警備情報

2/14 目黒 交通連絡 連絡

2/14 世田谷 その他の苦情 その他の苦情

2/16 杉並 交通違反 交通違反

2/17 荒川 交通違反 交通違反

2/18 板橋 その他の苦情 連絡

2/22 荒川 連絡 警備情報

2/24 江戸川 連絡 警備情報

3/2 渋谷 その他の苦情 その他の苦情

3/2 渋谷 ※上記の続報

3/2 渋谷 ※上記の続報

3/2 世田谷 その他の特別法 その他の特別法

3/3 足立 連絡 公然わいせつ

3/4 町田 応援要請 住居侵入

3/4 江戸川 警備情報 警備情報

3/5 江戸川 その他の特別法 その他の特別法

3/8 葛飾 連絡 住居侵入

3/8 葛飾 ※上記の続報

3/10 文京 連絡 警備情報

3/10 文京 連絡 警備情報

3/11 東久留米 連絡 警備情報

3/11 渋谷米 連絡 警備情報

http://tokyo.cool.ne.jp/kunitachi/kyouiku/05keibi.pdf

女性国際戦犯法廷について(1)

http://d.hatena.ne.jp/hizzz/20050410#p5

でhizzzさんが、 女性国際戦犯法廷について書いている。(2)のとおり応答したのですが、4/10のhizzzさんの文章をもう一度引用し考えてみよう。

1.開催前から「天皇(裕仁)有罪」帰結が容易に推測できるイベであること

 原告と被告の扱い(証人・弁護等の人員)に著しい差があった

http://d.hatena.ne.jp/hizzz/20050410#p5

「天皇有罪」と「東条英機ほか有罪」の両方を検事団は目指したが、証拠が整わなければ有罪にはならなかったと思われる。有罪を導いた手続の「荒さ」を具体的に指摘すべきである。

 戦犯法廷の前史としての、日本の法廷への提訴が、門前払いに終わったことの「安易さ」、国境を越えた正義を貫こうとする決意が日本の法廷にあったのかを問うことなく、民衆法廷の瑕疵だけをあげつらおうとする態度の一方性。

2.「国際戦犯法廷」の戦後日本の歴史性を無視してること

 数多くのBC級戦犯が、安易に処刑されていった事実に配慮が欠けている

「数多くのBC級戦犯が、安易に処刑されていった」ということがあったのだとしたらそれは東京裁判に連なる戦犯法廷の問題点ですね。

何を以て「戦後日本の歴史性を無視」と言っているのか、がよく分からない。

3.有罪の中身は「道義的責任」

 民主主義下の法律では、「道義」はそもそも思想信条の自由に値し「道義的責任」は問えない

 犯罪行為があったという事実認定の上で、その管理責任を問うた物であり普通の刑法の範疇における罪を問うている。

 hizzzさんは、http://www1.jca.apc.org/vaww-net-japan/womens_tribunal_2000/judgement001212.html を示して書いているのだが、ここには「道義的責任を問う」と書いてあるかな?法廷の実際を踏まえず自分なりの勝手なイメージで文章を書いているような印象があるが?

しかしながら、最大の責任は、55年以上にわたって訴追も謝罪も行わず、補償などの有効な救済措置をなんら講じてこなかった日本政府にある。こうした政府の怠慢は、被害者たちが1990年以来繰り返してきた要求にも拘わらず、そして2人の国連特別報告者による細心な調査、さらには国際社会の正式な勧告を無視して、いまだに続いているのである。

http://www1.jca.apc.org/vaww-net-japan/womens_tribunal_2000/judgement001212.html 

ここからは被害者の求めたものは道義的責任ではない、と読みとれる。

女性国際戦犯法廷について(2)

上の続き。

コメントしたら返事をいただいた。

# noharra 『開催前から「天皇(裕仁)無罪」帰結を裏取引していた東京裁判よりは公正に近いと評価できる。』

# hizzz 『上記したように、自分好みを他者に押付ける=ポリティクスの発動(「やられたらやりかえせ」的視点)という点においては、「女性国際戦犯法廷」も「東京裁判」も同列でしかない。以前カキコしたように「道義的責任」を問うこの問題は「法」では決して解決しない。なせなら「やられたらやりかえせ」の限りない連鎖を呼ぶだけであり、現にそれを呼び起こしてしまったということにおいて「公平」を掲げるポリティクスとしても、結果は致命的ですらありましょう。』

(野原)

「なせなら「やられたらやりかえせ」の限りない連鎖を呼ぶだけであり、現にそれを呼び起こしてしまった」というのは、「天皇有罪」に対して(日本人の誇りを傷つけられたとして)憤激し慰安婦に対するセカンドレイプにはしったりする反応を引き起こしたことを言っているのでしょうか。 

 レイプという具体的な犯罪があった場合、それを裁こうとすることは、正義をもたらすことにより暴力(の連鎖)から世界を救うことになると思いますが。

右翼も左翼も、自分たち以外(制度外の第三者)という存在を喪失している。そして喪失しつづけてるが故に、なんとかしようとして居丈高になり、更なるお手付きを重ねて、パンピー(=イデオロギー的正義思想を持たない者=ウヨサヨ制度外の第三者)の支持を減らす。

http://d.hatena.ne.jp/hizzz/20050213#p3

(野原)

 これは少し当たっているような気もする。だがレイプの問題は本来イエオロギーの問題ではない。彼女たちは白人(オランダ人)でなかった、まともな国家を持たないアジア人女性にすぎなかったがために東京裁判の時点で裁判化されなかった。そこでアジア人と女性に対する差別が弱くなった50年後ようやく事実を事実として語りうるようになった。それをイエオロギー的言説であるかのように演出してしまっているのは、ナルシズムに汚染された日本の言説空間である。

司法と政治とイデオロギーがごっちゃになって

# hizzz 『ども。「女性戦犯法廷」もnoharraさんの論説も、司法(=法)と政治(=反国家)とイデオロギー(=国家的性奴隷制)がごっちゃになって一体化してます。そして東京裁判の最大の欠点はそゆ「権力」が一方的に裁いて死刑にしてしまったことです。>「やられたらやりかえせ」

一番のプライオリティは何ですか?「慰安婦」をどう保障すべきかという具体的提言なのではないでしょうか。

最後の「国民に強制した国家を支持するのだな?」という文言にみられる、国家vs反国家という二分(による絶対正義権の発動=イデオロギー)矯正と、「女性戦犯法廷」が本当に求めたはずの国際法での(考えられるかぎりの公平な)ジャッジは離反しますよ。そういう民主主義的「多様性」を排除した中で、いくら声高に「正統正義」をいいたてても、国家vs反国家ということにしかならないではないですか。そしてそれでいい、というのなら、まさに「慰安婦」は反国家パフォーマンスもしくはPC(ポリティカル・コレクトネス)のネタでしかないでしょう。』 (2005/04/18 20:51)

(野原)

乱暴な批判に応答ありがとうございます。

ですから、

こないだの大戦で「生きて俘虜の辱めを受けず」を国民に強制した国家を支持するのだな?(野原)*1

を、「国家vs反国家という二分(による絶対正義権の発動=イデオロギー)矯正」と読むかどうか、が論点なのですが。

1.こないだの大戦で日本国は「生きて俘虜の辱めを受けず」を国民に強制したのは事実ですね。

2.それを「過去は切り捨て平和国家建設」という形で総括し戦後の日本国家は始まった。

3.小泉の靖国参拝から「憲法改正へ」への動きは、「2.」の全否定としてある。

4.ここにおいて、少なくとも「1945.3.10~1945.8.15」の間に死んだ死者たちは目覚めて歩き回りはじめた。

というのがわたしのパースペクティブです。

 このような構造に無自覚であることは、「国家」という言葉で、戦前戦後のべたらな「3.」レベルの国家イメージを肯定してしまっていることになると思います。

*1:この文章はhizzzさん宛に書いたものではありません。drmccoyさんあて。念のため。

「女性国際戦犯法廷」なるものを真面目に取り上げるひと

# drmccoy 『TBありがとうございました(?)。私如きどこの馬の骨ともつかぬ人間の文章を丁寧に引用していただき、誠にありがとうございます。ただ、 noharraさんのこの部分を拝見しますと、他サイトからの引用とそれに対するnoharraさんコメントのみですので、ご指摘の意味が私程度の人間には理解し難く、質問されているのか吊し上げられているのかもわかりませんし、「女性国際戦犯法廷」なるものを真面目に取り上げられている様子から、おそらく相互理解や議論は不可能とも思えますので、具体的なコメントは遠慮しておきます。』

(野原)

(1)「女性国際戦犯法廷」なるものを真面目に取り上げるひととは、相互理解不可能。という判断をされるのですね。貴ブログタイトルに「非論理的な世界」とあって?でしたが、あるテーマについて「まじめに取り上げる」ことを非とされる考えの方とは思いもよりませんでした。

(2)

「過去を反省しない」を否定しておられるようですが、それではどのように「反省して」おられるのでしょうか?

(3)

「日本人の慰霊の概念、だれであろうが死ねばみんな神様仏様であるというおおざっぱな感覚*1」についてはここで肯定してみましょう。そして、靖国参拝を父親の墓参りと同置する。

即ち政治的行為の思想性方向性が問われているのに、「わたしの心情の善性」でもって応答している。これでは他者の理解を得ることが出来るわけがありません。

靖国神社とは「日本の国を守るために、斃れた人達を祀る」ための神社です。大東亜戦争の少なくともその一部が間違っていたことは明らかです。それを日本が認めることで日本は国際社会に復帰し得たわけです。「大東亜戦争の少なくともその一部が間違っていた」のかそうでないのか、いずれにしてもそれは現時点での国家日本のメッセージとして他者を説得すべく発せられなければならない。それがないわけですから戦前への回帰としてヒステリックな反応が起こってくるのは、いわば当然です。

*1:大量殺害者宅間某なんかもだな?

日本の中国に対する侵略行為は

http://d.hatena.ne.jp/dempax/20050419#p2さん経由

日本の報道関係者へ:

歴史在此沈思(History is Pondering Here)2005年4月14日

南京大虐殺の被害者数はいくらだったにしても, 戦争を直接指揮したのは天皇にしろ, 軍部にしろ, 日本の中国に対する侵略行為は自らが起こした国家犯罪として, 永遠に抹殺できない事実. 強制従軍慰安婦問題も被害者及びその子孫にとっては, 時間には決して癒されぬ深い傷. 我々が起こした一連の行動はまさに真実を知らない日本の人々, または真実を知りながらそれに直視できず, 敢えて隠そうとする政治家や右翼たちに知らせるためです.

「日本の中国に対する侵略行為」を、日本人はこれまで直視しようとしてきたのでしょうか。直視しようとすれば、(大東亜の大義という美辞とのあまりの落差に)恥ずかしくていたたまれなくなる、ものであった。

 事実は何か?わたしたちはわけのわからない戦争につれ回されひどい目にあった。だが中国人たちの受けた被害はそれどころではない、言語に尽くしがたいものがあった。認めたくないという気持ちは働くだろうが、それが事実だ。

神さまがいっぱい

 えー最近では古事記伝というと別の本のことだとかいう話を聞いたがまあそれはどうでも良いとして、岩波文庫の本居のそれは、1940年に(戦争中ですね)作った版をそのまま使っているので活字がかすれているし読みにくいことこのうえない。でもまあわたしは、無意味に近い言葉に惹かれるたちなので、苦労しながらなんとか読んでいます。やっとp298まで来ました。火の神カグツチを生むところです。天地初発之時からここまで岩波文庫古事記の原文(漢字ばかり)ではわずか3頁。それが『古事記伝』では約160頁です。

 ところで新潮日本古典集成の『古事記』(西宮一民校注)の付録には神の名前がずらずらと1番から321番まで番号付きで丁寧な解説付きで載っている。とりあえず最初の部分を載せたいと思ったが古事記の神名は使われていない漢字などもあり書くのが難しい。ちょっと下記の古事記研究所というところからコピペして神の名のところだけ使わして貰います。記して感謝します。(一部勝手になおしたりしています)

  1. 天之御中主神。(あめのみなかぬしのかみ)
  2. 高御産巣日神。(たかみむすびのかみ)
  3. 神産巣日神。(かむむすびのかみ)
  4. 宇摩志阿斯訶備比古遲神。(うましあしかびひこぢのかみ)
  5. 天之常立之神。(あめのとこたちのかみ)*1
  6. 国之常立神。(くにのとこたちのかみ)
  7. 豊雲野神。(とよくもぬのかみ)*2
  8. 宇比地邇神。(うひぢにのかみ)
  9. 妹須比智邇神。(いもすいぢにのかみ)
  10. 角杙神。(つのぐいのかみ)
  11. 妹活杙神。(いもいくぐいのかみ)
  12. 意富斗能地神。(おおとのぢのかみ)
  13. 妹大斗之辨神(いもおおとのべのかみ)
  14. 於母陀流神。(おもだるのかみ)
  15. 妹阿夜訶志古泥神。(いもあやかしこねのかみ)
  16. 伊邪那岐神。(いざなぎのかみ)
  17. 妹伊邪那美神。(いもいざなみのかみ)*3

これでイザナミが17番になるだろうか?

*1:以上の五柱を、別天つ神 と言います。

*2:この二柱の神(6,7)もまた、独神となりまして、身を隠したまいき

*3:以上国之常立神から、妹伊邪那美神までをあわせて、神世七代といふ(2柱+5対)