アテルイとモラィ

西暦802年8月13日、捉えられた土着民の指導者、アテルイとモレ(モラィ)は京へ連行され、河内国杜山で斬首された。

それがどうした、ということはないが、メモ。*1何も考えないことは、自分が殺した側の系譜だけを引いていると考えることに等しい(かもしれない)。

*1:参照『概念集・4』p8

ヘッダ

この頁のヘッダを変えました。

いままで、次のようでした。

中国政府は、野口孝行氏たちを直ちに釈放せよ!

三月   桧森孝雄を追悼する   わたしたち   (参考)

去年の3月16日、ガザのラファで米国人のレイチェル・コリーさんがイスラエル軍に轢殺されました。

無断転載可

 野口、桧森、コリーと北朝鮮とパレスチナ問題に関する人名が挙げられている。北朝鮮とパレスチナにおける国家による民衆の抑圧は止まらない。野口孝行さんは先日日本に帰ってきましたが、彼が日本へつれ返そうとした脱北者(元在日朝鮮人)二人は北朝鮮に送還されてしまったようです。

野口氏の帰国記者会見は下記で聞くことができます。

http://www.northkoreanrefugees.com/noguchi-recording1.htm

ヘッダの訂正に際し「無断転載可」の5字をなぜ削除したのか説明しなければいけないのだが・・・

武士道から遠く離れて

http://www.goisu.net/cgi-bin/psychology/psychology.cgi?menu=c032

あなたの漢(おとこ)のサムライ度チェック – 無料占い GoisuNet

  上記の占いをやって見ました。毎日(ではないが)古くさい儒学の本を頑張って読んでいるのになんて結果だ!?

>あなたの漢(おとこ)のサムライ度チェック>結果

あなたの漢(おとこ)のサムライ度を診断してみました。

あなたの漢気度は【4%】ぐらいで夜な夜な欲望のまま戯れる【フランス貴族】の血をひいています。

耽美的な享楽を何よりも愛するあなた。自分が大好きで、ちょっとナルシーな気のあるあなたから、漢気はまったく感じられません。

男くささを野蛮と思い、勇気や信念を古典的なものととらえるあなたは、現在の軟弱日本を代表するようなひ弱な男子といえるでしょう。あなたにとって大切なものは、自分自身と欲望を満たすこと。それ以外のことは、はっきりどうだっていいのです。個人主義者であり、社会にあまり興味のないあなたは、漢の世界とは正反対の位置で暮らしているのでしょう。まあ、仕方ありません。敗戦国日本はマッカーサー上陸以降、鬼畜米兵の「日本国民総白痴化計画」によってコーラとハンバーガーで骨抜きにされてしまったのですから……。

マザコン度  100%

 以上はあまりあたってないが、下記の藤樹の文章が指摘するタイプにはきっちり当てはまっているように思えた。ウウ・・・

「すでに暗処に魔を来るたしぬれば、何事も異風をこのみ、人をばいける虫とも思はず、天下に我をこすべき者なしと、人もゆるさぬ高慢を鼻にあて、親おやかたのぐち(愚知)なるをさげしみ、友達をあなどり、かりそめにも己れを是とし人を非とす。或いは世間のまじわりをいとひ、独り居ることを好み、あるいは甚だしきときは気のちがふかたもありとみえたり。」*1

「うまれつき利根無欲けなげなる人、此のやまい多し。」

さらに、高慢や孤独という現象には現れなくとも、“自分が設定した狭いチャンネルでだけ他人とつき合ってそうであることに疑問を抱かない者たち、”あるいは“自分というものを守るという動機しか持たない者たち”と言ってみれば、ほとんどの現代人はあてはまるか。

*1:p164 「翁問答」中江藤樹・日本思想体系、中央公論版p163

私たちの加害性

スワンさんからコメントをいただきました。

# swan_slab 『こんにちは、私のいう”加害者”というのは、その前段の水俣における私達の加害性という議論から流れてきています。誰に対する加害性かという個別の被害との関係で理解しているのです。しがたって【アジア諸国との関係で】という部分をいれる必要がありました。アジア諸国との関係で果たして日本人が被害者といえるかどうか、そこは認めざるを得ない。そのうえで個別の色いろな、それこそ多様性のある生き方が追体験されえない切断状況にある、そういう認識なのです。』

「通りすがり」さんから紹介いただいたサイトの文章もたいへん興味深かったです。(http://www1.odn.ne.jp/mushimaru/majiessay/mesy006.htm

イスラエルの核告発者 バヌヌさん逮捕される!

http://www.onweb.to/palestine/siryo/vanunu-11nov04.html

ナブルス通信編集部 

2004年11月11日

イスラエルが秘密裏に製造していた核兵器の存在を世界に明かし、そのことで18年間イスラエルの獄中に囚われていたモルデハイ・バヌヌさんが、わずか7ヶ月あまりの「獄外生活」の後、今日(11日)再び逮捕されてしまった。

容疑は釈放条件である外国のプレスとの接触禁止に反したためだという。「国家反逆罪」で18年の刑に服した後も、バヌヌさんに対しては海外渡航禁止のほか、様々な禁止事項が超法規的につけられていた。しかし、バヌヌさんはBBCの他、様々なメディア──日本の朝日新聞も含め──に登場し、イスラエルの核政策と、それだけを野放しにしている世界を批判し続けてきた。

イスラエルのディモナ核施設で働いていたバヌヌさんが、1988年に英国「サンデータイムズ」紙に明かした情報によって、イスラエルが世界で6番目の量となる核兵器を所有していることが裏付けられたが、バヌヌさんは諜報機関に拉致され、秘密裁判にかけられて、18年間(うち11年半は独房)の獄中生活を送っていた。釈放されたのはこの4月のことだった。

イスラエルは世界中が知っている自国の核兵器の存在を「否定も肯定もしない」という政策をとり続け、核拡散防止条約に批准せず、リビアやイラン、北朝鮮とは異なり、一切の追及から免れている。「大量破壊兵器保有」を理由に侵攻されることもない。

AP通信(11日付)によると、バヌヌさんを支援し続けてきた元・サンデータイムズ記者、ピーター・ホーナム氏はAPのインタビューに応え、バヌヌさんの逮捕を「身の毛がよだつ」と言っている。

「イスラエル政府はアラファト氏の死去を(バヌヌ逮捕のタイミングとして)故意に利用している」とホーナム氏。

「合州国は核兵器プログラムに関してイランに圧力を加えている。同じことがイスラエルにもなされる必要がある。イスラエルを忘れてイランに焦点を合わせることはできない」と彼は述べた。(同上)

 さらに、バヌヌは、アメリカがありもしないサダム・フセインの大量破壊兵器を求めてイラクに侵攻したというのに、大量破壊兵器を極秘にごっそりと溜め込んでいる国に対しては政治的、道義的、経済的な援助を与え続けてきていることも世界に思い出させるだろう *2。

  *2……米国からはイスラエル支援に年間約30億ドルが拠出されている。米国の対外援助では第1位。また、対イスラエル批判を盛り込んだ数々の国連決議が米国の拒否権発動によって成立してこなかった。

http://www.onweb.to/palestine/siryo/vanunu421.html

「バヌヌさんの釈放前に」──中東でヒロシマを繰り返さないために

ほんとうに勢いのある精子なのか?

 上記検索システムより、 衆議院 – 文部科学委員会 – 13号(平成14年06月05日)から引用してみたい。社民党の北川れん子氏の発言。

 今、どうしても、前回もなんですけれども、社会的な議論というのが成熟していない中で、研究者の、研究をやりたい、おもしろい、新しい分野だということでの意欲と、多くの人たちが余り多くの、言葉遣い自身を知らない中でとり行われていくということへのそごをどう埋めるかという議論を前回させていただいたと思うんです。

 例えば、不妊治療の現場ではこういう言葉が使われていますね。精子進入検査、ハムスターなんかの卵に男性の精子がうまく入るかどうか、そういう勢いがある精子なのかどうかということで、受精卵をつくることができる精子かどうかを調べるという検査らしいんですけれども、不妊治療の現場というのは、本当に人数が少ないカップルの中でとり行われる、そこでしか卵とか胚とか受精卵とか、そういうものを入手することができないということで、ここに偏って現場が盛り込まれていくので、今言ったわけです。

 もう一つは、最近報道がありました、卵子を若返らせ受精成功ということで、核を取り除いて若い女性の卵だけ、その核を取り除いて四十五歳前後の方の核、だから遺伝子はその四十五歳の方の遺伝子だからその人の子供だという意味だろうと思いますが、そういうことで、二十代の女性が提供して、幾ばくかの、二十例の中の一つが、子宮に戻すことはまだしていないんですが受精をした、受精卵になったという報道もありました。

 ということで、私たち、やはり不妊治療の現場のことをもっと一般化して、話して、これを言えば、例えば、精子進入検査というのがどういう問題なのか、聞けばわかる。それは自分が不妊治療の状況というものを経なくてもわかる。卵子を若返らせる受精卵とはどういう意味を持つのか、それもわかる。試験管ベビーと言われた衝撃的な言葉遣いが、余りにもわからなかったので衝撃的というふうになるわけですが、そういうものをもっともっと社会に議論を提供しながら、生命倫理の問題と絡め合わせて、日本はどの道を行くのだということをもう少し私は深めていく必要があると思います。

何を言っているのか、分からないのに引用するというのは良くないのだが・・・

「二〇〇〇年に成立しましたヒトに関するクローン技術等の規制に関する法律と、今の再生医療の現場、またES細胞樹立に向けての急速な進展とを絡め合わせまして、不妊治療の問題とも兼ね合って、」という情況が存在するらしいのだが、勉強不足でよく分からない。<若さ>とは何か、ということを考える。歳をとるということは、細胞レベルのバグが増えると言うことなのか。若い女性の卵から、核を取り除き、四十五歳の女性の核を入れる。それは後者の女性の子どもになるのか? 興味深い問題だと思った。

 北川氏は排卵誘発剤の副作用についても質問し、副作用による死亡例として5例あるとの答弁を得ている。それについて彼女は「女性たちにとって、子供を持つことの意味が、女性はどうしても押しつけられて、子供を持たないと一人前に見られないという前近代的な旧弊な考え方、家族制度の中でからめ捕られて、子供を持たざるを得ないというふうに自分を思い込んでいる女性も多い」という情況を指摘し、そのような歪んだ情況は本来正されるべきもの(「ジェンダーの解放や女性の平等施策等々が進む中では意識は変わってくる」)であるのに、そのような情況におけるニーズに答えようとして先進医療技術が進んでいき、その結果死亡例まででていることは「重く見ていただきたい」と強調する。先鋭的医療技術が生命の神秘の領域に食い込んでいること自体を禁止すべきではないだろうが、一方で動機の低俗さが存在すること、このアンバランスさに驚く感覚は大事なものだと思う。(イラクにおいてとても精密な兵器が野蛮に人を殺していることへの驚きと同時に。)

デリダはアラブ系ユダヤ人

 デリダはフランス人でありユダヤ人だった。そして彼がアルジェリアから来たことも広く知られている。だが彼はカミュのように植民者の子孫としてアルジェリアに生まれたわけではない。1962年アルジェリアが独立したとき、植民者の側にカテゴライズされ離散させられたことは確かだが。デリダの父祖はイスラム化したアラプが北アフリカにやってくる以前からそこにいたのであり、本来その土地に固有の権利を主張してもよかったはずだ。

 ところで、イスラエルに外部から無理矢理移住してくるからイスラエルは無法な外部からの簒奪者になるわけであり、同じアラブの地から移住してくるならアラブ内部の移住だからそれほど大騒ぎしなくてもよいはずだ。だがシオニストは「アラブ内部の移住」という側面を執拗に隠蔽する。

 とにかく大昔からユダヤ人はイベリア半島や北アフリカを含む地中海圏全体に住んでいた。で「ユダヤ・スペイン語」、ラディーノ/ジュデズモなどユダヤ系の言語を話していた人々もだいたいアラビア語に同化していった。もちろんヨーロッパ系の言語に同化していった人々もいるでしょう。ここで、デリダの祖先たちは、つい百年ちょっと前まではアラビア語をしゃべり続けて来た。そして1870-1940くらいの間に完全にフランス化する。そのせいで、いわゆるアルジェリア人より古くから住んでいたのにアルジェリア独立の主体にはなれず、植民者=敵の側とされ、1962年以降離散せざるを得なくなる。

東アジアでいうと台湾の日本統治が長く続き、客家系で長い間中国語を話していた人が日本語しかしゃべれなくなるようなものか。フランス>アラビア>ユダヤという序列において、ユダヤ性を極端に主張するイデオロギーが自身の千年に渡るアラビア性というアイデンティティを力ずくで隠蔽し、それをなかった事にして「イスラエル」を建てていく。事実、イスラエルのユダヤ人の多くが本来アラビア語を母語としていたはずなのにそのことは強く隠蔽されています。

 エイズであったフーコーが死後「聖フーコー」になったように、デリダも死後アラブ人に成る。

(鵜飼)(略)

しかしあの追悼文には一つ大きな誤解がある。ギル・アニジヤールはサイードもそう思っていたと言うのですが、デリダの生家はアルジェリアのコロンではありません。アルジェリアのユダヤ人はイスラム化したアラプが北アフリカにやってくる以前からそこにいたのです。デリダのとくに文学関係の仕事では固有名の問いは大変重要ですが、デリダという名前が普通名詞として何を現わすかは不明です。それくらい古い名前なのです。

 ユダヤ人を一般にアシュケナージ系とセファルディ、東ヨーロッパのユダヤ人とスペイン系のユダヤ人に分けますが、さらにイラン・ハレヴィのような、PLOに合流したユダヤ人の歴史家は第三のカテゴリーとしてアラブ-ユダヤを考える。デリダの家は基本的にアラブ-ユダヤで、そこへレコンキスタの後に北アフリカに亡命してきたセファルディ系の家系が合流したということらしい。デリダが生まれるちょうど百年前にアルジェリアは植民地化されます。その段階では彼の祖先はアラビア語を話していた。一八七○年にランスの法務大臣アドルフ・クレミューがアルジェリアのユダヤ教徒にフランスの市民権を与えます。そしてデリダが生まれるまでの六○年間にユダヤ教徒の共同体はあっという間に同化されていった。デリダが生まれる前にこの出来事は起きています。デリダは生涯、アルジェリアのユダヤ教徒はどうしてこれほど簡単に同化されたんだろうということを、キリスト教とユダヤ教、そしてイスラムとの間の関係としてずっと考えてきたし、ある意味で苦しみ続けた。私たちの前で彼が、フランスがアルジェリアを植民地化せず、自分もフランスと関係なくアルジェリアで生まれていたらいまよりもずっとよかったと言ったことがあります。

(長原氏の発言 略)

(鵜飼)  そうでしょうね。いま自分が抱えているような苦しみとは無縁だったはずだと。それをどういうアフェクトで言っていたのかというところまでは、もちろん証言できませんが。アルジェリアのユダヤ教徒はデリダが生まれる前の六○年間に同化され、デリダが生まれて三○年後にアルジェリアは独立する。そのときユダヤ教徒は、コロンとアラプ人、ベルベル人の被植民者の間にいる階級になってしまっていました。デリダが何度も語ったように、フランス本土をドイツが占領した時期に学校から追放されたり市民権を剥奪されたという経験が一方ではありつつも、フランスの市民権を持っていたがゆえに六二年にはこのコミュニテイに属する人々の多くはフランスかイスラエルに文字どおり離散しなければならなくなる。アラブよりも前からこの地に存在していたコミュニティがアルジェリアの独立によってアルジェリアにいられなくなるという経験を、デリダは既に哲学的に自己形成した後にしたことになります。デリダはこのことについてルサンチマンめいたことはひとことも言わない。このコミユニテイの人たちの多くはこの出来事ののち反アラプ的になり、シオニストになっていく。南フランスの、ユダヤ人でありながらルペンに投票しているような人たちもこのコミュニテイからたくさん出ているはずです。彼のパレスチナに対する関わり方や、九○年代アルジェリアが内戦に陥った時の態度表明に、彼が抱えてきたこの経験が現れている。それは最終的には『ひとつしかない、私のものではない言語』の中であるまとめかたをされました。コロニアリズムのひとつの結果としてこの悲劇も起きたのです。

(鵜飼・長原対談の鵜飼哲の発言より 『現代思想 2004・12 特集デリダ』p102-103より)

サラリーマン長井さんを守れ!

 「私もサラリーマン。家族を路頭に迷わすわけにはいかない。告発するかどうか、この4年間悩んできた。しかし、やはり真実を述べる義務があると決断するに至りました」。そう言って長井さんは涙声になり、言葉を詰まらせ、ハンカチで目をぬぐった。

 「告発による不利益はないか」と尋ねられ、「不利益はあるでしょう」と答えてからだった。

http://www.asahi.com/national/update/0113/014.html

 サラリーマンなんていうと哀れな語感があるが、言いかえればNHKの正規職員ということであり、この日本では階層的に上位に属する。彼らに言論の自由がなければより下位の国民大衆にありようはずがないのだ。

この問題については、下記のブログの意見に全面的に共感する。

筆者は、最近のマスコミ各社の報道姿勢について「萎縮した自主規制とも思えるような」姿勢だとする。

 たまたま私のみた朝日新聞も(14日朝、33面)、NHK「圧力を受けず」安部氏「注文の事実ない」中川氏「面会は放送後」と被告発側の意見だけを見出しで強調している。*1 NHKという巨大組織が、圧力を受けていないという建前を答弁するのは当然であり、情報としての価値はない。それを見出しとして巨大な字で報道してしまうことの責任。自分の責任で一つの事実を事実として提示した長井氏に対し、報道機関がやるべきことはそれを事実として裏付けることであり、当局の反論を掲示し事実を相対化しなし崩しにしてしまうことではない!

http://blog.readymade.jp/tiao/archives/000973.html blog::TIAO: 明るみに出た報道検閲 ……NHK番組改変問題

道各社の記者諸君はNHKのチーフプロデューサを鑑として先ずは自社を内部告発する勇気を持とうじゃないか。

自らも血達磨になって尚且つ政府を追及するくらいの迫力がなければ、今この国を間違った方向へ押し流そうとする勢力に対抗できるわけはない。ことはそれほど重大なのだ。政府、財界が民間を巻き込んで推し進めようとしている国家権力の強化と監視社会はこの国を危うい方向へと舵を切りかねない。

*1:第二報だったからかもしれないが。

第2次「慰安婦」論争 1/29.10時

http://d.hatena.ne.jp/noharra/20050124#p5 へのフォローとして

dempaxさんが下記にコメントしてくださった。

引用箱付きでここに上げます。

あと、id:dempax:20050127#p2 で紹介してくれた

http://members.at.infoseek.co.jp/postx/NHK-kaizan/top.html

NHK「女性戦犯国際法廷」番組改竄問題・私家版 ここは内容豊富みたい。

(わたしの関心は法廷自体の方にあるのだが)

id:dempax

「発信箱:第2次「慰安婦」論争として 山田孝男(編集局)」をさっそく産経新聞で西尾幹二が利用しています.

……「圧力」を経た修正版にもかかわらず、「従軍慰安婦」の取り上げ方に危うさを感じた。92年1月、朝日新聞は「朝鮮人慰安婦募集に日本軍関与」の大報道を展開、直後に訪韓した宮沢喜一首相が盧泰愚(ノテウ)大統領に謝罪した。日本軍による慰安婦「強制連行」を糾弾する動きは相変わらず根強いが、強制連行を否定する実証的な反論も出ている。90年代の慰安婦報道と日本政府の謝罪が、日本に「性奴隷」(海外ではsexslaveと報道)制度が存在したかのような誤解をまき散らしたという批判はさらに根強い。……(編集局)毎日新聞 2005年1月24日 0時06分

産経新聞 2005/01/28 11面オピニオン 正論 問題の核心は変更番組の放映にあり 評論家 西尾幹二

…… さすがに毎日新聞はついていけないとみて, 山田孝夫氏の署名で, NHKのあの番組がおかしいこと, 従軍慰安婦の強制連行説を否定する実証的な反論が出ていること, 90年代の政府の謝罪は日本に性奴隷制があったかのごとき国際誤解をまき散らしたことは反省すべきだとする記事を掲載した(1月24日朝刊). 正論である.……

西尾式要約方法

山田孝男編集委員 ≪誤解をまき散らしたという批判はさらに根強い≫ → 西尾幹二つくる会名誉会長 ≪誤解をまき散らしたことは反省すべき≫

毎日新聞らしい「客観報道」として≪批判はさらに根強い≫としたのに, 西尾幹二名誉会長が≪反省すべき≫に改竄してしまった.』

無自覚になされる否認

mojimojiさん コメント欄の文章に勝手にコメントしてしまいました。

id:mojimoji 『「いくらひどい被害だったといっても、50年近く前の話である。全身に衝撃を覚えるなんて言うのは大袈裟ではないか、と傍観者的には思ってしまう。だがそうではないのだ。「誰にも語れない秘密」は誰に語られなくとも50年間彼女の心の中に生き治癒されずに傷であり続けたのだ。」の部分は、本当に余人には推し量りがたいものがあり、かつ無自覚になされる否認によって今も傷つけられ続けているように思えます。

僕自身が、こうした記憶の問題にセンシティブになったのは、岡真里『記憶/物語』の冒頭30ページくらいを読んだときですね。「洋なしのアラビア語が思い出せない、なんだったっけ」というほほえましいエピソードから記憶というものの暴力性へと反転していく記述のところ、あれほど胸を衝く記述に接したことはそうそうありません。』

 わたしの場合は、『全記録1』の何人もの証言を読んだ後で、『夕凪の街 桜の国』という漫画を読んだとき、やはりある頁で落涙してしまいました。

誰もあの事を言わない

いまだにわけがわからないのだ

わかっているのは「死ねばいい」と誰かに思われたということ

思われたのに生きのびているということ

そしていちばん怖いのは あれ以来

本当にそう思われても仕方のない人間に自分がなってしまったことに

自分で時々

気付いてしまう

ことだ

p16『夕凪の街 桜の国』こうの史代 isbn:4575297445

大きな被害を受けたものがそれ故に自尊感情をなくすこと。まさに体験しないと分からないこと。神の不条理がはっきりあらわれているという現象なのか・・・ これはヒロシマを舞台にした漫画ですから慰安婦とは何の関係もないのですが、共通のものはあると思いました。慰安婦はたった一人で耐えなければならなかった分もっと悲惨だった・・・

あるフィリピン人に私が近づかなければならない理由は存在しない。袖擦り合うも多少の縁。かすかな縁はかすかなままでも良いと思うけど、無意識にでも「否認」するのはちょっとね、と思います。