デモクラシーを大量破壊兵器で破壊する

http://www.jca.apc.org/stopUSwar/Iraq/iraq_body_count.htm#dialy

イラク戦争被害の記録 から少し引用する。

わたしたちはなぜファルージャの惨劇に気付かないのか。それはアメリカ当局によるプロパガンダが成功しているからである。

街角に放置されたおびただしい死骸の画像があっても、誰も視なければ効果はない。

○ プロパガンダ

 米軍の作戦は巧妙を極めた。イスラム・オンラインの論説「米はどのようにして戦争を遂行したか」において、それは3段階にわたって遂行されたと言う。

--第1段階は、メディアによるデマ・でっち上げプロパガンダである。「ファルージャは外国勢力の巣窟」「ザルカウィ」「得体の知れないテロリストの拠点」「ここを叩き潰せば治安は回復する」等々。

--第2段階は、「市内から住民はいなくなった」「ファルージャは空になった」というイラク中・世界中に流されたこれもメディアの大宣伝である。そして、市内にはまるで極悪非道の「武装勢力」「テロリスト」しか残っていない虚構を作り上げた。

--そして総仕上げとして第3段階で「皆殺し」を開始したのである。

※「Crimes in Iraq How America Wages War in Iraq」By Firas Al-Atraqchi Freelance Columnist http://www.islamonline.net/english/In_Depth/Iraq_Aftermath/2004/11/article_07.shtml

 確かに米軍は事前に市内から住民に対してある程度の避難の猶予を与えた。ザルカウィと外国人勢力の多くは攻撃前にファルージャを脱出したと言われている。

○ 目的

 現地に根付いていない外国人武装勢力などどうでもよかった。米軍にとっては、ファルージャ住民が最初からの標的であり、彼らの抵抗姿勢を打ち砕くこと、それでも逆らえば皆殺しにし大量殺戮することが目的だったのだ。来年1月の議会選挙に参加しない者達、米軍とイラク暫定政府に屈服し服従しない者達、独自の地域支配を続けるスンニ派の地域武装勢力--そしてこれらの「反乱分子」の最大の拠点、「抵抗の象徴」になっているファルージャ、その都市ごと、住民ごと、丸ごとを、武力によって粉砕・殲滅し、ファルージャが再び立ち上がることができないようにすること、そのために核心としての地元の武装抵抗を抹殺することが目的であった。

すなわち一つの都市が持つ一つの意思を打ち砕くことが目的である。デモクラシーの破壊である。ファルージャが破壊されなければならなかった理由は、この一点にある(かもしれない)。市民の一般意志が公正に形成されたときそれは「自警団」を含む「反占領」「反米」になる。そのことは占領に「民主主義」という衣装を偽りであってもまとわせたい(そうすることしかできない)当局にとって、自らの矛盾を明証してしまう事実だった。したがってそれはあってはならない、消滅させられた。

 こうした戦略はイスラエルのパレスチナに対する戦略から大きな影響を受けている(ようだ)。しかしながらそれは前にも書いたように大きな無理がある。(http://d.hatena.ne.jp/noharra/20031125#p2

イスラエルはパレスチナ人を予め狭い地域に閉じこめた上で、戦略を展開している、のに対し、イラクの広範な国土はまだイラク人のものでありそれをどうにかできる目処はたっていない。虐殺によって数千万イラク人の意思を砕くことができるのか?南京大虐殺はそれとは逆の歴史を示す。

○死臭

恐怖の臭気がいまだに漂っている。私たちはそれが何か、よく理解している。それは死体からの臭いである。すでに埋葬されたが、臭いが消え去ることはない。長期間にわたって私たちとともにあったその臭い。

囚人の帽子(その3)

         有名な論理クイズ

 多湖輝の「頭の体操 第1集」の前書きにあった論理パズル。出典も書かれていたと思うが忘れてしまった。

 ギャグではありません。純粋な論理パズルで、私が知る限り、紙と鉛筆を使わずに解ける、最も難しいクイズです。

 白い帽子が二つ、赤い帽子が三つある。*1

 王様が三人の男を一列縦隊に並ばせて、それぞれに五つの帽子の中の一つを被らせ、残りの帽子の色が彼らにわからないように厳重に隠した。

 一番後ろの男は、前のふたりが何色の帽子を被っているか見えているが、自分の帽子の色はわからない。真ん中の男は、いちばん前の男が何色の帽子を被っているか見えているが、自分や後ろの男の帽子の色はわからない。いちばん前の男は誰が何色の帽子を被っているか、全くわからない。

 王様は、まず、いちばん後ろの男に自分の帽子が何色かわかるか質問した。男はわからないと答えた。次に、真ん中の男に同じ質問をした。男は、やはりわからないと答えた。

 さて、ここで問題。いちばん前の男は何色の帽子を被っているだろうか?

http://www3.tky.3web.ne.jp/~arsene/gag/logic.html

 多湖輝の「頭の体操 第1集」だってなつかしいですねえ!40年前です、歳がばれますが。

id:noharra:20041113#p3 に対し

id:dempax:20041123  で応答もらったが、

それを読んでしばらくして、最初の問題に二つの違った解釈がありうること。

どちらにしても、ちょっと不備のような気がしてきた。

いままだきちんと説明できません。スミマセン・・・

それに比べると上記多湖輝の問題は明快です。

*1:「その1」に合わせて赤と白を入れ替え。

囚人の帽子(その4)

「n人の囚人に, 赤の帽子 n個と 白の帽子(n-1)個の場合 — 練習問題」

を考える。分かったらすぐに手を挙げるルール。

表記が繁雑になるので 10人の囚人に, 赤の帽子 10個と 白の帽子9個の場合を考える。

1a)Aさんが、白の帽子9個を見る>(白はそれ以上ないので)自分は赤だと分かる。

1b)手が挙がらない場合>>「白=9」ではなかったことが、全員に分かる。

(ここまでで1分掛かるとする)

2a)Aさんが、白の帽子8個を見る>(白はそれ以上ないので)自分は赤だと分かる。

2b)手が挙がらない場合>>「白=8」ではなかったことが、全員に分かる。

(ここまでで2分掛かる)

3a)Aさんが、白の帽子7個を見る>(白はそれ以上ないので)自分は赤だと分かる。

3b)手が挙がらない場合>>「白=7」ではなかったことが、全員に分かる。

(ここまでで3分掛かる)

4a)Aさんが、白の帽子6個を見る>(白はそれ以上ないので)自分は赤だと分かる。

4b)手が挙がらない場合>>「白=6」ではなかったことが、全員に分かる。

(ここまでで4分掛かる)

という風に順に進んでいき、10分間手が挙がらなかったら、「全員が赤だ」と判断できることになります。

ところが、実際には推理し手を挙げるまでの時間は人により異なっているので、上記のように同期をとることができません。

任意の瞬間に手を挙げても良いのではなく、

1分ごとに「分からない/分かった」の旗を同時に挙げる、とルールを改正すれば、この問題点は解決します。

id:noharra:20041113#p3 の(その1)の問題では、

少なくともちょっとの時間、3人が黙って考えていて手を挙げなかったことになっています。「賢者」であることがことさらに強調されているので、その間に、(2b)まで進むことができただろう、と考えることもできます。その場合、「全員赤」になります。

「Aに聞き、次にBに聞き」というストーリーの設定はこの問題には馴染まないということだろうか。

(その5)額に2枚の切手を貼る

「論理 パズル 帽子」で検索するといくらでも出てくるな。

http://chishiro.cocolog-nifty.com/chishiro/2004/11/post_5.html

chishiro.blog: 論理パズル、これは「額に2枚の切手を貼る」という不自然な設定の物。

上記に問いと答えがあるのでそちらを見てください。以下は私の私的ノート。

用意するのは、赤い切手が4枚と緑の切手が4枚(赤赤赤赤緑緑緑緑)。

3人の額に、この中から2枚ずつ貼り付けます。余った2枚は、3人に知られな(略)

Aさんから順番に聞きましょうね。

Aさん:「わかりません」

Bさん:「わかりません」

Cさん:「わかりません」

この問題のすごいところは、なんと2周目があることです。では2周目です。

Aさん:「わかりません」

Bさん:「わかりました」

一見すごく難解に思えるがそうでもない。分かったような気がしたが勘違いかもしれない。(以下ネタバレ)

1)1回目Cが「RR、GG」を見たら自分はRRまたはGGでありえないから「RGと分かる」、だからそれはない。

2)2回目Aも同じ。

また、Bが「RRまたはGG」だったら、1)を避けるため自分はRRまたはGGでありえないから、分かる。

また、Cが「RRまたはGG」だった場合、1回目Aは「RR、GG」を見ても自分がRGとはいえないのでok。「分からない」になる。

3)以上により、2回目Bは「RRまたはGG」でありえない。つまり「RG」。

このとき3人ともすべてRGになるのか?はわからない。例えばAがRRでも良いかな。

(以上、不正確な言葉使いですみません。)

美しき日々

今日酔っぱらって帰ってきて何げなくテレビを見てたら、韓流のドラマをやってた。数人の若い男女がもつれあいながらドラマがどんどん進んでいくようで、演技とか上手くない俳優も多いし、吹き替えの声はそれ以下で何だか今ひとつ紙芝居っぽいんだけど、でも場面の転換が早く、10人以上の登場人物のどの組み合わせにも秘められた過去があるようで、つまり、ヘテロな恋愛だけじゃなく兄弟愛や親子愛、友情などすべての引き合う力の強さが張り巡らされており、とても面白かった。

http://www3.nhk.or.jp/kaigai/beautiful_days/

美しき日々 Beautiful Days

プロナタル・アンチナタル

11/18に続き、今度は『概念集・10』に、松下昇氏の(性というよりも)出産に関わる文章があったので、掲載します。

id:noharra:20040905で関曠野氏の文章をかなり引用しましたが、この松下の文章は1992年に出版された関氏の文章をきっかけにして書かれたもの。

        プロナタル・アンチナタル

 プロナタルは出産を奨励し、妊娠中絶を否定する主張、アンチナタルは妊娠や出産を女性主導でおこなおうとする主張。関曠野氏によれば、今後の世界情況における最大の対立点になると想定されており(このぺージ右に主要部分を転載する。)、左翼ー右翼の図式を転倒する争点の提起と共に、その指摘はユニークであるが、疑問点を提出すると、

①アンチナタルは一見、正当な根拠をもっているようであるが、この立場にある人、特に女性は、妊娠~出産だけでなく、売春や性的暴行の根源を存在論のレベルで包括しつつ女性の直面してきた困難さを歴史的かつ生理的に提起し、かつ政治機構の改革(例として議会の男女同数議席)のプログラムを提起してほしい。これが徹底的になされるならば、男性主導社会~文明への〈爆弾〉になりうることは確実である。この包括性がない場合には、いかに妊娠~出産とエロスの分離という主張をしても、あらかじめ生理的に分離され、歴史的に立場を補強している男性主導社会~文明を爆破しえないであろう。また、男性主導社会~文明の裏返し的な頽廃を育成してしまう危険もある。

②妊娠~出産だけでなく、異性との出会い~性的交渉における女性主導という場合、その主張の主体は、受胎するまでの関係性と、受胎した場合の生命が軸であり、受胎した女性は補助的な判断主体にしかなりえないことを明確にすべきである。そして、もし、受胎した生命を中絶(抹殺)するとしても、受胎に関わる異性との関係を中絶(抹殺)することが前提である。これは過酷な提起であろうか。胎児や、受胎に関わり得なかった異性は決してそう判断しないであろうし、この判断が優先されなければ、存在の最低限の対等性は維持できないのではないか。

③前記の①~②の論点に交差しない存在(異性に出会う回路~意思を持たない、あるいは子どもを生めないか生まない生理~位置にある人々)にとっての対等なテーマを相互に確認し共同で追求していく関係のレベルにおいてのみ、プロナタルの主張もアンチナタルの主張も、未来情況への意味をもちうるであろう。そして、この共同の追求を阻害する全ての力と対決していく過程は、人間存在の深い根拠を照らし出し再構成するであろう。そのような過程にこそ、この世界に生誕してくる意味や、他者、とりわけ異性に出会う意味に関する論議は生命を持つはずである。新たな図式=プロナタル・アンチナタル論議の限界を超えよ!

註ー胎児の生命を尊重する視点からのプロナタル的な立場に対しては、少くとも死刑制度や軍隊・讐察などの暴力装置の廃絶と共に主張せよ、という反論を対置していくのが原則である。いまプロナタル的な立場にある者も、人口・環境問題の切迫からアンチナタル的な立場へ移行するか利用してくるのは自明であり、その安易さや支配者性をあらかじめ批判しておくためにも。一方、異性との出会い~性的交渉の意味を先験的によいこと、必然の欲求とみなすアンチナタルの立場は、ラディカルな装いをまとっていても信じるに値しない。自らの立場が、もしかしたら最も安易な、遅れた質を内在させているかもしれないと自己対象化しえた後でのみ主張は力を持つであろう。

松下昇『概念集・10』~1994・3~ p19

自衛隊派遣延長反対

コリン・コバヤシさんから、パレスチナ・フォーラムというMLで来たアブデル=アミール・アル・リカービ(イラク民主的国民潮流)からの手紙。

長いけれど連帯の意志をこめて、転載します。

リカービ氏の意見に全面的に賛成だといえるほど、わたしはイラク情勢に詳しい訳ではありません。が、妥当な意見ではないでしょうか。

イラクの安定のためには、1月の選挙を成功させなければならない、とするアメリカ側の意見が日本でも浸透しているようです。しかしそこに民主主義を実現しうるのでしょうか。イラク国民の意思がアメリカ軍の撤退であったときに、議会はその意思を反映しうるのか? できないのなら、選挙を成功させても無駄ということですね。

 とにかくわたしたちは自衛隊の駐留延長反対!!を大声で叫ばなければいけない。

グローバル・ウォッチ@コリン・コバヤシです。

CONDI(イラク民主化国民潮流)より、今日の自衛隊撤退要求集会に向かって、メッセージが出されました。複数のMLなどにBCCにて送ります。重複ご容赦下さい。以下に掲載します。転載可です。

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イラクの現況を御伝えしましょう。

ファルージャ攻撃の実相は何か。

 ファルージャはバグダッドから65キロ西にいった、砂漠が始まる入り口の人 口30万ばかりの小都市です。ファルージャは多少の放牧業と公務、とくに若者が服務している軍隊以外の仕事がない町でした。若い兵士でよく教育されたものは軍人学校に行き,士官となるのです。町はいくつかの小さな集落に囲まれており、それらはファルージャと生活面で密接な関係を持ち、とくに、家族関係を持っています。すべての住民は2-3の大きな部族に属しており、以前は遊牧をしたりしていましたが、その地域のバディア・アス=シャム砂漠の反対側のヨルダンやシリアと密輸入を営んでいたのです。それゆえ、シリアやヨルダンの部族とたいへんつながりが深く、それは部族ルーツの延長とも言えるのです。ということは,同時にこの地域では、部族的な連帯感が非常に強いし、サダム・フセイン政権の石油の思いがけない賜物によって,福祉国家となったずっと以前のことです。このように前置きを長く申し上げるのは、ファルージャがどのような町か理解していただきたいからです。

 サダム・フセインは資源の欠乏を非常にうまく利用し、部族的な側面では、この地域を軍への志願者たちの宝庫にし,また体制の基礎に利用したのです。そして、野望を持ったこの地域の士官の一群が現れたときには、厳しい弾圧を加えたこともあります。ですから、この町を旧体制の根城だという説は、ひとりのザルカウィなるものが、低い鼻でこの地域の大きな部族を率いている,という説と同様に、根拠が薄いのです。たしかに、ファルージャには、経験を積んだ士官、兵士が沢山おり、部族の絆が強いのです。こうした事実によって、アメリカ軍に対して,抵抗する能力と意志、そしてイラク人以外のある程度の数のアラブの戦士がいることを説明できるのです。しかし、あくまでもそれだけのことです。

 アメリカ軍はファルージャに対して、常軌を逸脱した大きな攻撃を仕掛けました。大半が3階建てのレンガ作りの家で構成されているこの小さな町は砂漠の真ん中にあるのです。アメリカ軍は、この攻撃を予定通りに行いました。それはイラク民衆全体を恐怖に陥れるのを目的とする戦略なのです。ファルージャにおいて,言語同断な武力鎮圧を行い,アメリカ合州国は、イラクの残りの部分すべてが降参して、アメリカのプレザンスが打ち勝つことのできない宿命として受け入れることを期待しているのです。これこそが、殺戮するための意志が実行されたファルージャの真実です。公式にはイラク政府は2085名の死者と1600名の捕虜をあげていますが、イギリスの情報は犠牲者の85%が民間人であると伝えています。「公式には」、アラブの戦士は前夜に逃げ出しており、そこにはいなかったことになっています。今、アメリカ軍は彼らを捜して、モスル、マフムーディイヤ、サマッラ,そしてバッソラなど、南部でも追求しています。迷子になった犬や猫が、住民の死体、男、女,子供の屍骸を食べ歩いている、というのが真実です。民間支援や医療支援が町に入ることは、故意に禁止し、市内に配達することを無限に遅れさせているのです。テレビで放映された人のみならず,複数の負傷者たちが故意に殺害されました。このような惨さは計算済みだというべきでしょう。軍事行為の規制される限界はなく、やり放題なのです。すべてが屈辱を受け、アメリカ軍によって寺院は破壊され,荒らされ、そこを兵士の休憩場所にしているのです(軍靴を履いた兵士たちが武器を持って寝ているアメリカ兵たちの写真をすでにテレビでみたことでしょう)。虐殺と侮辱、恐怖が、予防的、永続的戦争の武器です。「我々と一緒でないものたちすべては我々の敵である。我々に反対するものはどのような運命が待ち受けているか知るべきだ。死か、さもなくば逮捕だ」と、ファルージャ作戦の始めに、バグダッドで、アメリカの高官が表明しています。

抵抗運動の現状は?

 数ヶ月前は,シーア派の聖都ナジャフが攻撃されていました。明日は、ファルージャと同じ虐殺がイラクの他の都市でも見いだされることでしょう。イラク人民が服従するのを拒否する限り、抵抗運動は移動しつつ、あちこちで起こるでしょう。そして弾圧も巡回しながら行われるでしょう。テロル(激しい恐怖)は、イラクのように占領され略奪された国を平和にすることはできません。提案されたもう一つの政治は、国全体のコンセンサスも得られない傀儡政権の受容でした。この政府は、選挙という政治的なプロセスを開始したいと言いつつ、非常事態宣言を発令しているのです。そのうえ、これに参加することを拒否することは、戦争行為と同じだと見なしているのです。以上の名目の元に、また政府のいう<政治的なプロセス>に無理矢理参加させるために、ナジャフで、ムクタダ・サドルに対する作戦を行ったのです。しかも、立候補と選挙の方法は、すべて封印され、事前に形が整えられ、つまり偽造されています。

 この10日間くらいの間に起こったあらゆることにも関わらず、イラク人民は押しつぶされることもなく,無気力状態に陥ってもいません。イラクの抵抗運動は、とりわけ、占領と傀儡たちに対する一般化した民衆的な拒否の現れです。抵抗は増幅しており、シーア派であれ、スンナ派であれ非常に多様なイスラム教徒の小グループに属しているものから、バアス党(必ずしもすべてが旧政権に忠実なものばかりではない)関係から、偶然的な関係で地域的に立ち上がった無数のグループがあります。抵抗運動は,始まったばかりであり、統一的な組織体系はまだできておらず、戦略は明確化されていません。それゆえ、現場で起こることをすべて総合的に把握できてないのですが、統一的な抵抗戦線と政治意識を作る必要性をみな感じています。というのは、アメリカ軍を相手に、抵抗状況が爆発的に発生している事態が止まないとするなら、質的転換の緊急な必要性も感じており,そのための努力をしている最中です。

アラウイ政権について:

 現在のイラク政府は、間違いなく傀儡政権で,アメリカのゲームを演じているのです。彼らのアメリカに役立つ作業を行っている。占領者によって作られた、あるいは協力する現場の政権なく占領することなど,今まであったためしはありません。サイゴン政権なくして、アメリカはヴェトナムに介入したでしょうか。これは主権を持った独立国家となるための<中間的>な、あるいは<過渡期の>政府ではありません。これらの言葉によってアメリカ政府が意図しているものは、現状をより安定的に、より正当化するためです。これはページをめくって全く新しいものを作り出すのではなくて,現在ある状況を強固にすることだけが意図されているのです。もし,選挙があるなら,そのことが目的です。選挙は、恐らくあちこちで勃発する抵抗運動で、延期され,実行することはできないでしょう。もくろまれている選挙は<民主的に>占領を主題にしているからです。恐怖を引き起こす攻撃は、イラク人たちに、もう希望はないのだと説得しようとしているのです。それゆえ、今、ファルージャで、このようなやり方で虐殺があったのです。

しかし,それはイラク人が望んでいることではないし,満足できることでもありません。8月にあったベイルートでの憲法制定会議準備会議はイラクのあらゆる潮流の代表者たち350名が集まり、憲法制定会議設立の必要性を主張し、この会議こそが政治的プロセスを行うのであって,傀儡政権ではないことを確認しました。憲法制定会議は,一つの政党ではありません。また複数政党の戦線でもなく、これは、多くの貧困と独裁政治、長い戦争と、最後には占領に取って代わられた禁輸処置の後、イラクの政治生活に初めて生まれるはずの基礎的な議会なのです。この会議を支持する署名運動が現在、全国で行われており、この憲法制定議会設立への要望を国際機関に提出し、イラク人の意志を考慮するように、また憲法制定会議実現を支援するように要請する予定です。多くの民衆的運動は、私たちのオルタナティヴな提案を支持するでしょう。

 最後に日本の皆さんに肝心なことを申し上げましょう。

私たちは、イラクの領土における自衛隊のプレザンスは戦争行為にあたることを、またこのプレザンスは占領に加担している行為であるとはっきり言いましょう。それは、昨年派遣され,現在駐留し、これから、派遣延長することを考えている現時点において、明らかなことです。暴力行為や、侵略行為、攻撃や虐殺をしていないとしても、このプレザンスの意味は一向に変わりません。というのも、自衛隊が何の攻撃を受けないと保障するものは,何もないからです。自衛隊が配置されている地方が,いつ何時、攻撃が発生するかも分からず,もしそれが起これば、自衛隊は余儀なくその動きに関与せざるを得なくなるからです。いずれにせよ、イラクにおける皆さんの国の軍事的プレザンスのせいで、日本がイラクに敵意を抱いていると解釈されているのです。日本の民間人は、彼らが政府と関係有る無しに関わらず、時には政府に反対の立場であろうが、拉致され、幽閉され、時には殺されるといったように、イラク人から敵意を持って扱われています。私たちは、常に、これらの行為を厳格に非難し、拒否してきました。残念ながら、私たちCONDIは,いつもこれらの日本の民間人をすべて救い出すことがきませんでした。彼らの苦しみと彼らの喪失は悲劇であります。イラクにおける日本の軍事的プレザンスとそれを決定した日本政府に責任がありますが、しかし、これらの犯罪の重みは、イラク人民の肩に、我々イラク人の意識にのしかかってきており、私たちは二重に苦しむのです。すなわち、占領行為とその行為がもたらすいくつかの結果です。日本の兵士たちが,宿営地に隔離されて何もしていないのなら、なぜ,そこにいるのでしょうか。アメリカ政権を喜ばすためなのでしょうか。日本はそれほどまでに、アメリカに服従しているのでしょうか。イラク社会にたいして、人道支援をおこなうために、私たちに報道されているように、水道工事や病院や学校建設をしつつあるというのでしょうか。もしそうなら、軍隊である必要性はありません。2003年12月,私がCONDIのスポークスマンとして日本を訪れたとき、日本政府に提案したように、友情と連帯に基づいた日本の民間のプレザンスこそが、必要なのです。

今、日本の軍隊はイラクから立ち去るべきです。自衛隊の派遣期間の更新をしてはなりません。

アブデル=アミール・アル・リカービ

(イラク民主的国民潮流)

延長反対が75%

おとなり日記から引用させてもらいます。

http://d.hatena.ne.jp/waku2/20041129 はてなダイアリー – わくわくの日々

■ 自衛隊派遣市民投票(第2回)/ゆり

本日の荻窪駅頭、「市民投票」の結果をご報告します。

3時半ごろ~4時半ごろまでの約1時間で、投票結果は

延長賛成 16  延長反対 74  わからない 8 合計98 でした。

レジスタンスが旧市街を取り戻す

http://d.hatena.ne.jp/takapapa/20041129  はてなダイアリー – 【ねこまたぎ通信】によれば、次のようだ。これはエマンさんに話を聞いて以来、受けていた印象とだいぶニュアンスが違います。どうなっているのかな? 自衛隊撤兵を急げということにはなるが・・・

 ○ レジスタンスが4度目の包囲網突破/旧市街を取り戻す

 ○ ファルージャから初めて米軍が退却

 26日午後9時に届いた速報において、イスラム・メモ通信員は、ファルージャを包囲する米軍が同日、レジスタンス勢からのグラッド、タリクによるロケット攻撃にさらされたと伝えてきた。

(略)

実際に、この3日間ばかりは、レジスタンス側は本来の力を取り戻して掌握する地域を広げ、その結果、ファルージャの65%はレジスタンスが支配するようになっている。

http://www.geocities.jp/urknews/resistance_report_2004Nov26.html

11月26日 レジスタンス・レポート も同様の記事。