1972-01-19
1971-04-30舞い上がるタンポポの綿毛
1970-01-03なにものかへのあいさつ
なにものかへのあいさつ
私が、年代や情況の表面的な変化とは関係なく格闘しなければならないテーマは、私が、この数年間追求してきたテーマ、α・不可能性表現論、β・情熱空間論、γ・仮装組織論(連続性論)などを、包囲し、つきうごかすようなかたちで訪れてきている。それは、いますぐに、ここで展開させうるものではない。むしろ、私は、それ~―らの星雲状の総体~⌒―からやってくる波動を、この紙片でうけとめることによって、私のように闘争とかアピールから最も遠い位相にある人間を最前線に押し出してしまう何ものかの残酷な力と対抗しようとねがっているのだろう。それゆえ、残りの数十行に私が断片的に、一気に埋める言葉は、純粋に私だけのものである。しかし……いや、やめておこう。時は迫っている。
この世界で最も幻想性にあふれた領域で、固有のスローガン、戦術を媒介として問われているのは、おそらく、つぶやきからゲバルトをへて国家、さらには宇宙に至る全ての表現の根拠の変革である。とりわけ、表現の階級性の止揚。死語のなだれ、自己と他者に本質的な死をもたらす沈黙への怒り。倒錯した現実へのなしくずし感覚の根底にある自然さを、どのように粉砕するのか。報復と一行の詩。汝の表現論を示せ。汝の原罪性がそこに、ひっそりと息づいているはずだから。
橋を、広場を、部屋を、かんたんに通りすぎるな。権力にも、寄生虫的な参加者にも視えない空間が存在するのだ。汝はなぜここにいるのか。もはや、ここから脱出することはできない。ここに集中してくる全てのテーマを一人でも生涯かけてひきずっていく力を獲得するまでは。何よりもまず、バリケードとか、占拠とかという言葉を汝だけの言葉に変化させ、その方法の追求ないし総括の場が、そのまま闘争となるような場を創りださなければならない。
風のヘルメットによる恒常的武装。火焔ビンを投げつけざるをえない関係そのものへ火焔ビンを投げよ。真の断絶をこえた連続性。憎悪の対象や愛のしぐさが固定しているとき、汝は汝の敵のものである組織論を内部に育てている。日付けを超え、政治を越え、一片の綿毛に生命を吹きこみつつ、最後の日付け、最後の政治へたどりつこう。固有の、不可避の闘争としてだけではなく、それを無視するはど巨大な闘争の不可避の応用として。
一九七○年一月三日
1969-12-03教授会(松下処分についての)
■ 逮捕状(被疑事実の要旨)(3)
三.
昭和四四年一二月三日、右大学教養部定例教授会において、自己の処分問題が議題となる予定を知り、これを威力をもって妨害阻止しようと企図し、ヘルメット姿の学生ら多数と共謀のうえ、
(一).同日午後四時ごろ、約一〇〇名の学生らとともに同大学教養部定例教授会開催中の教養部事務取扱湯浅光朝看守にかかる教養部会議室に故なく侵入し、
(二).同日同時刻ごろより同日午後八時ごろまでの間、多数の会場乱入により教授会の審議を不能ならしめたほか、議長として会議を主催する右湯浅光朝および教官約七〇名に対し、取り囲み、ば声を浴びせるなどしたうえ、「教授会を公開し、自己の処分問題を審議するよう」アジ演説して要求し、これを拒否されるや所持していたマイクを各教官に対して順次突きつけて、「教授会公開の是非」「自己の処分に対する意見」を述べるよう強く要求し、発言情況にあわせて、「人間失格」「教官失格」「不可」等の侮辱的言辞をあびせ、あるいは、机上に落書きし、要求に従わぬ場合は「報復措置がとられるであろう」等と発言し、もって多数の威力を示し、湯浅光朝および約七〇名の教官の業務を妨害するとともに、右大学の業務を妨害し
たものである。
(20060202追加)
1969-11-08試験を威力をもって妨害
■ 逮捕状(被疑事実の要旨)(2)
http://from1969.g.hatena.ne.jp/noharra/19690901/p1 の続き
二.
昭和四四年一一月八日、右神戸大学教養部において実施される昭和四三年度後期試験を威力をもって妨害しようと企図し、ヘルメット姿の学生ら多数と共謀の上、
(一).同日午後一時二〇分ごろ、同大学教授荻野目博道担当の英語後期試験実施中の同大学教養部長事務取扱 湯浅光朝 看守にかかる教養部C棟四〇一号教室南側出入口より学生ら数一〇名とともに故なく侵入し、
(二).同日同時刻より約一五分間に○○○*1学生ら数十名と共同し、受験生の答案用紙を奪取し、同教室○○○○○○○○て*2、教卓、黒板に試験粉砕などを落書するなどして、右英語後期試験を不能ならしめ、もって、多数の威力を示し右荻野目博道らの業務を妨害するとともに、同大学の業務を妨害し
(たものである。)
70年4月「あんかるわ24号」、70年5月「試行30号」に転載。