2009-09-20
■ トッカータとフーガ
自分では知らないまま、暗い湾をとりまく光の帯を形成している都市下層住民の灯。(六甲 4章)
街が、そのかかとで軽く踏まれるために作られた夕焼け色の靴。
都市機能の下半身を支える低賃金労働者たちは、集団化しており華やかさを発揮しているのに自分では気づかない。その子弟たちは自らが作成した夕焼け色の靴を履いているのに*1、街をもっと自由に歩行しうることに気づかず足をひきずっている。
主観的な希望/絶望にとらわれるのは無意味である。「快活な対話者/無関係に機能している腸管たち」という自覚してない次元をどんな存在者も抱えている。α、β、γの相互の対話や劇は無意識におこなわれている限りすぐに不理解・軋轢に陥りがちだ。だがしかし、私たちの2元性が持つ時間=空間のリズムを把握できるなら、トッカータとフーガのように組み合わせ音楽を構成することだってできる。