松下昇~〈 〉闘争資料

2014-09-05

松下概要・N4次案

 松下 昇(まつした のぼる、1936年3月11日~1996年5月6日)は、60年代末から70年代初めにかけて大学に集中した闘争状態の渦中、いわゆる造反教官としてマスコミや文化領域で盛んに取り上げられたが、大学闘争とも呼ばれる情況を生み出した歴史段階の本質を「ある事件とされるものの現実と、それに交差する幻想過程の比重が、ほぼ拮抗し、あるいは後者が前者をのみこみつつある世界(史)的な段階」と捉え、問題意識を持続して空間に存在すること自体がひきよせてしまう〈罪〉を未踏のテーマに包括し飛翔させるべく、闘争収束後もユニークな表現運動を展開〜提起している未だ名付けがたい表現者である。70年1月、バリケードで配布したビラ〈なにものかへのあいさつ〉において、「年代や情況の表面的変化とは関係なく自分が格闘しなければならないテーマは、私が、この数年間追求してきテーマ、α・不可能性表現論、β・情熱空間論、γ・仮装組織論(連続性論)などを、包囲し、つきうごかすようなかたちで訪れてきている。」と述べ、闘争とかアピールから最も遠い位置を最前線に押し出してしまう力との永続的な闘いを予感している。