松下昇~〈 〉闘争資料

1969-08-08「バリケード解除」

バリケード的表現

バリケード的表現

 全学集会→封鎖解除→授業再開という反革命過程にぬりこめられている犯罪性は、大学の枠をこえて階級社会と人間存在のあらゆる原罪性へいきつく。

 国家権力、右翼秩序派、スターリニストの見事な統一戦線を見よ。私たちは微笑しながら、かれらを出現させている世界(史)的な関係に対立し、打倒し、止揚していくであろう。

 敵でも味方でもない、ある圧倒的な力によって問題提起の正しさが彎曲していくのではないかという一瞬おとずれる感覚のむこうに、はじめて、ほんとうの闘争がはじまっている。

 いま自分にとって最もあいまいな、ふれたくないテーマを、闘争の最も根底的なスローガンと結合せよ。そこにこそ、私たちの生死をかけうる情況がうまれてくるはずだ。

 私たちは、バリケードから、全ての人間たちの真の姿を見てしまった。そしてバリケードの影は、全ての人間の時間と空間をおおいつくしている。この上、何を怖れることがあろうか。

一九六九年八月 < >にて